2001 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚表皮における蛋白質架橋酵素(トランスグルタミナーゼ)の活性化機構の解析
Project/Area Number |
12660074
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
人見 清隆 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00202276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 正敏 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40183610)
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Keywords | トランスグルタミナーゼ / 表皮細胞 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
トランスグルタミナーゼ(Tgase)は、カルシウム依存的に蛋白質のグルタミン残基とリジン残基との間にイソペプチド結合を形成する反応を触媒する。Tgaseの生理的意義は、血液凝固、細胞死、形態形成、細胞外マトリクスの強化と幅広く、今なお未知の役割が発見される可能性もある。Tgaseはヒトにおいてはこれまで9種のアイソザイムの存在が報告されている。このうち、表皮細胞には主にTGase1,TGase3が存在する。皮膚表皮の形成は、表皮深層の未分化な前駆細胞が分化成熟して、角化した表皮細胞として表層に押し出されることによって達成される。表皮細胞の分化に伴い、細胞内蛋白質が架橋され、表皮細胞は角質化し強力なバリアーとして機能する。 本年度は表皮細胞に存在するTGase1,TGase3のうち、TGase3について以下の検討をした。これは未分化な段階では不活性な前駆体型で存在し、分化に伴い限定分解され、活性型に変化して架橋反応を引き起こすという巧妙な機構が存在する。免疫学的手法により、組織分布を検討して、TGase3は表皮のみならず、神経系細胞、脾臓、精巣などにも存在する事を示した。さらに他のアイソザイムの混在を認識しないモノクローナル抗体の作成に成功した。これを用いてTGase3の分布のパターンについて細胞分化段階に伴う発現様式を明らかにした。TGase3をバキュロウイルスの発現系を用いて大量に精製し、マウスの前胃を給源として、活性化酵素の同定を試みた。その結果、この組織中に存在する新規なカルシウム依存性のプロテアーゼで限定分解を受けることを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hitomi et al.: "Analysis of Epidermal Transglutaminase (Tgase) Expression in Mouse Tissues and Cell Lines"The International Journal of Biochemistry and Cell Biology. 33. 491-498 (2001)
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[Publications] Ohkouchi et al.: "Identification and Characterization of Two Penta-EF-Ca(25)-Binding proteins in Dictyostelium discoidium"Journal of Biochemistry(Tokyo). 130. 207-215 (2001)
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[Publications] Kitaura et al.: "Peflin and ALG-2, Members of the Peflin-EF-Hand Protein Family Form a Heterudimer"The Journal of Biological Chemistry. 276. 14503-14508 (2001)