2000 Fiscal Year Annual Research Report
原核生物界で高度に保存された44アミノ酸モチーフを持つ蛋白質ファミリーの機能解析-44アミノ酸モチーフ蛋白質ファミリーが構成する情報処理ネットワークの解明-
Project/Area Number |
12660079
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
加藤 純一 広島大学, 工学部, 助教授 (90231258)
|
Keywords | Pseudomonas aeruginosa / 走化性 / 情報処理ネットワーク / cheシステム / メチル化受容走化性蛋白質 / ゲノム |
Research Abstract |
ウェブ上に公開されたPseudomonas aeruginosa PAO1株の全ゲノム配列をに基づき、メチル基受容走化性蛋白質に特有な44アミノ酸配列(HCD配列)を持つ26のhcd遺伝子をPCRで増幅した。増幅されたDNA断片をP.aeruginosaで複製しないpGEM-T easyベクターにクローニングした後、ORF内にカナマイシン耐性遺伝子カセットを導入し、遺伝子破壊用のプラスミドを構築した。これらプラスミドをP.aeruginosa PAO1株にエレクトロポレーションで導入し、遺伝子破壊株を構築した。26のhcd遺伝子のうち、24遺伝子について破壊株の作成に成功した。得られた破壊株について、アミノ酸、リン酸、2,4-D、トリクロロエチレン、クロロフォルム、酸素に対する走化性を調べた。その結果、pctAは16種類のアミノ酸、pctBはHisとPro、pctCは6種類のアミノ酸、ctpLとctpHはリン酸及びmcp96-3は酸素の感知に関与する遺伝子であることが判明した。いずれの破壊株とも、2,4-D、トリクロロエチレン及びクロロフォルムに対する応答は正常であることから、今回破壊株の得られなかった2つのhcd遺伝子がこれら物質の感知に関与しているのではないかと予想された。hcd遺伝子と同様に、P.aeruginosa PAO1株が持つ3つのche遺伝子クラスターについても破壊株の作成を試み、それに成功した。今後、走化性だけでなく種々の環境応答に関する表現形質について調べ、hcd遺伝子とche遺伝子クラスターの機能を明らかにする予定である。
|
Research Products
(1 results)