2002 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母Σ1278b株に発見したプロリンアナログ耐性に関わる新しい遺伝子の解析
Project/Area Number |
12660084
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
高木 博史 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (50275088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 大 福井県立大学, 生物資源学部, 助手 (00301416)
中森 茂 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (00254243)
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Keywords | 出芽酵母 / N-アセチルトランスフェラーゼ / プロリンアナログ耐性 / アゼチジン-2-カルボン酸 / ゲノムプロジェクト |
Research Abstract |
出芽酵母S. cerevisiaeΣ1278b株のMPR1遺伝子(sigma 1278b gene for proline analogue-resistance)は、プロリンの毒性アナログであるL-アゼチジン-2-カルボン酸(AZC)をN-アセチル化し、無毒化する酵素をコードしている。また、データベース検索によって分裂酵母Schizosaccharomyces pombeにもMpr1pと一次構造上で約30%の相同性を示す推定open reading frameを発見し、ppr1^+ (S. pombe MPR1)と名づけた。S. pombeの野生株はAZC耐性を示し、そのタンパク質抽出液にAZCアセチル化活性を検出した。また、ppr1を破壊した株ではAZC感受性になり、AZCアセチル化活性も消失したが、再度ppr1^+を導入すると、AZC耐性やアセチル化活性が回復したことから、ppr1^+はS. pombeのAZC耐性に関与し、MPR1と同様にAZCアセチルトランスフェラーゼをコードすることが判明した。さらに、MPR1とppr1^+を発現させた大腸菌から両酵素を精製し、その特性を調べた。その結果、両酵素ともホモダイマーであり、プロリン関連化合物の中ではAZCにのみ作用した。また、Mpr1pはPpr1pよりも比活性が高く、特にアセチルCoAに対する反応速度定数や親和性が高かった。一方、Ppr1pは熱に対して極めて安定であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuko Kimura, Shigeru Nakamori, Hiroshi Takagi: "Polymorphism of the MPR1 gene required for toxic proline analogue resistance in the Saccharomyces cerevisiae complex species"Yeast. Vol.19 No.16. 1437-1445 (2002)
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[Publications] Michiyo Nomura, Shigeru Nakamori, Hiroshi Takagi: "Characterization of novel acetyltransferases found in the budding and fission yeasts that detoxifies a proline analogue, azetidine-2-carboxylic acid"Journal of Biochemistry. Vol.133 No.1. 67-74 (2003)