2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオシド系抗生物質の合成とDNA認識能をもつペプチド核酸の分子設計
Project/Area Number |
12660097
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市川 善康 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60193439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 稔 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (00023466)
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Keywords | ヌクレオシド系抗生物質 / ブラストサイジンS / ペプチド核酸 / 阻害剤 / DNA / シトシニン / シグマトロピー / アリルシアナート |
Research Abstract |
側鎖に核酸塩基をもつ非天然アミノ酸を特定の順序で結合したペプチド(ペプチド核酸)が、DNAやRNAと特異的に分子認識するすることが報告されている。この分野の進展はめざましく、新しいペプチド核酸の分子設計が盛んに試みられている。本研究では、β-アミノ酸骨格をもつヌクレオシド系抗生物質であるブラストサイジンSの構造に着目して、新しいタイプのペプチド核酸分子の創製を目的とする。そこで最初に新しい効率的なブラストサイジンSの合成法確立を目指した。 ブラスチジン酸がアミド結合によってシトシニンと連結されている構造をブラストサイジンSはもつ。まず最初にブラスチジン酸の合成を検討した。鏡面対称をもつジエステルを出発原料として、リパーゼによる不斉加水分解反応を活用して光学活性なカルボン酸に変換した。さらに福山が報告しているスルホンアミドを用いた光延反応によってメチルアミノ基導入に成功した。スルホンアミドを脱保護してグアニジン基に誘導後、ベンジルアミドの加水分解によってシトシンとカップリングする前駆体であるBoc基によって保護されたブラスチジン酸の合成に成功した。ここで確立した合成法は、種々のβ-アミノ酸合成に応用可能な汎用性のある方法である。次にシトシニンの合成を検討した。アリルシアナートのシグマトロピー反応を活用して、ピラノース糖の4位に窒素官能基を効率的に導入してシトシンのアミノ糖骨格構築に成功した。さらに不飽和アミノ糖をアセチル化反応によって活性化した。そしてルイス酸触媒によってシリル化したシトシンを導入し、シトシニンの合成を完結することができた。以上、ブラストサイジンSの合成とペプチド核酸の新合成確立の目処をうち立てることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Ichikawa, T.Nishiyama, M.Isobe: "Synthetic method for α-and β-Glyhesyl ureas and its Application to the Synthesis of Glycopeptide Minimcs with Uren-Glycosyl Bonds"Syn lett. 1253-1256 (2000)
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[Publications] Y.Ichikawa, T.Nishiyama, M.Isobe: "A New Method for the Stereospecific Synthesis of the α- and β-Glusopyranosyl Ureas"J. Org. Chem. 66. 4200-4203 (2001)
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[Publications] Y.Ichikawa, K.Hirata, M.Ohbayashi, M.Isobe: "Synthesis of Blastidic Acid and Cytosinine, Two Components of Blasticydine S"Syn lett. 1763-1766 (2001)