2001 Fiscal Year Annual Research Report
微生物酵素触媒および生物資源に立脚する有用物質合成
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12660102
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須貝 威 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60171120)
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Keywords | 光学活性カルボン酸 / リパーゼ / 速度論的光学分割 / 加水分解 / ニトリルヒドラターゼ / エステラーゼ / シアノヒドリン |
Research Abstract |
光学活性2-ナフチル酢酸(2NMA)は、絶対立体配置決定法の一つ、改良Mosher法において従来用いられてきたMTPA等と比較して優れた能力を有し、近年、天然物の立体配置決定に盛んに利用されている。今回、合成経路中に生物触媒を利用した反応を用い、効率よく合成する方法を開発した。 まず、安価な2-ナフトアルデヒドを原料に、ラセミ体シアノヒドリンアセタートを合成した。ヒドロシアン化、アセチル化の二段階の反応は、二価スズのルイス酸存在下、同一容器内にて高収率で進行した。このものに対しBurkholderia cepacia由来のリパーゼを用いると、加水分解は鏡像体比1:564と高選択的に進行し、未反応回収物として、99.9%e.e.を超える(R)体を得ることができた。同時に得られる(S)体のシアノヒドリンはナフトアルデヒドに自発的に戻り、リサイクル可能である。ついで、細菌の一種、Rhodococcus rhodochrousが有するニトリルヒドラターゼの作用を利用し、アミドへと光学純度を損なうことなく変換した。ここからは化学法を相補的に用い、まず、硫酸ニトロシルを用いたニトロソ化加水分解によりカルボン酸とした。さらにシリカゲルで活性化したジアゾメタンを用いて水酸基のメチル化を行い、(R)-エステルへと導いた。最終段階である、メチルエステルの加水分解には、Klebsiella oxytoca由来のエステラーゼを用い、目的物であるカルボン酸、光学活性(R)-2BNMAを高い光学純度(99.9%e.e.以上)にて、効率よく得る方法を確立した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Suzuki, C.Nagasawa, T.Sugai: "Synthesis of Indanoxazolidinone based on the Lipase-catalyzed Resolution of the cornesponding N-carbonylamino Derivative"Tetrahedron. 57. 4841-4848 (2001)
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[Publications] T.Akeboshi, Y.Ohtsuka, T.Ishihara, T.Sugai: "Cheno-enzymatic Approach tpward Pure Enantiomers of 2-Methyl=1, 3-propanediol Mono p-Methoxybenzyl Ether"Adv.Synth.Catal.. 343. 624-637 (2001)
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[Publications] Y.Tokuda, Y.Takahashi, K.Matoishi, Y.Ito, T.Sugai: "Expedttious Route to GlcNAc-Cbz-Asn by chemo-enzymatic Synthesis"Synlett. 57-60 (2002)
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[Publications] T.Sugai, T.Kajimoto: ""Synthesis of Biologically Relevant Monosaccharides", in "Glycoscience-Chenstry and Chemical Biology""Springer-Verlag-GmbH. 907-1021 (2001)