2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660121
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
早瀬 文孝 明治大学, 農学部, 教授 (80105246)
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Keywords | メイラード反応 / メラノイジン / 青色色素 / 黄色色素 / ジカルボニル化合物 |
Research Abstract |
メイラード反応は非酵素的褐変反応で、食品のみならず生体内、環境中に起こる普遍的な反応である。この反応の最終生成物である褐色色素・メラノイジンは食品の2次機能、3次機能を有している。しかし、メラノイジンの化学構造は不明であったが、われわれはその前駆体である青色色素(Blue-M1)の化学構造を新たなNMRやMS手法によって解明でき、ピロロピロールの2量体と同定した。本研究は、メラノイジンの重合機構について分子レベルでの解明とメラノイジンの新たな3次機能として免疫活性に対する影響について焦点を絞り計画されたものである。本年度は、メラノイジンの化学構造や重合機構を解明することを目的として、キシロースとグリシン系メイラード反応溶液より、低分子画分を分画し、色素生成に関与すると考えられるジカルボニル化合物を2,3-ジアミノナフタレンと反応させ、逆相系HPLCで反応生成物を検出・同定を試みた。その結果、キシロソンと3-デオキシキシロソンが主要なジカルボニル化合物として同定された。これらのジカルボニル化合物は黄色色素の生成に関与すると考えられた。黄色色素をイオン交換カラム(Sephadex A-25)、ゲルろ過カラム(Biogel-P-2)、脱塩用カラム(Sephadex G-25)、逆相系HPLCカラムで分画し、単離・精製した。黄色色素をインキユベートすることによってBlue-M1が生成した。マルディトフマスにより、黄色色素は、キシロース2分子とグリシン2分子からなる生成物と推定された。Blue-M1は黄色色素の2量体であり、Blue-M1はさらに黄色色素を付加し、メラノイジンの生成に至ると考えられた。
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Research Products
(1 results)