2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660149
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横地 秀行 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (60124723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土川 覚 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30227417)
木村 志郎 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30023443)
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Keywords | 丸のこ / 中央固定回転円板 / 熱座屈 / 摩擦熱 / 熱応力 / 木材 / 固有振動数 / あて材 |
Research Abstract |
残留内部応力を有する天然生物材料である木材を丸のこで縦挽きする際に、残留内部応力が解放され、鋸断直後フリーとなった部位がのこ歯でない台金面に強く接触することがある。摩擦熱により台金の不均一温度分布に基づく圧縮熱応力が生まれ、丸のこの剛生が低下し切削不能になることがある。極端な場合、丸のこ座屈、破損、労働災害を招く。 そこで、本研究では、挽材中に木材が台金に接触しても摩擦熱が生まれない新しい丸のこをデザインした。台金面に円周状に複数の溝を形成させた丸のこを試作した。溝形状は頂角90°の3角形断面として、溝深さ0〜1mmと変化させることにより、接触幅を2〜0.2mmとした。溝深さ0mm、接触幅2mmは溝なしの通常の丸のこである。熱的安定性はモデル的に調べた。溝成形台金丸のこを3000rpmで回転させた。2分力ロードセルを介して50×50mm断面のプナ木口面を丸のこ半径100mmから150mmの位置に10Nの荷重で押付けた。摩擦力、サーモグラフィによる丸のこ半径方向温度分布および非接触変位計、FFTスペクトルアナライザによる固有振動数変化を調べた。結果、溝のない通常丸のこに比べ、溝成形台金丸のこは半分以下の温度上昇に抑えられた。溝深さを大きいほど、木材と丸のこ面の接触面積が小さく、摩擦熱抑制効果は高く、熱的に安定であった。反面、剛生を決定する台金の厚みが小さくなり、固有振動数は低下してしまった。摩擦熱抑制効果と固有振動数変化より、溝深さ0.6〜0.8mm、接触幅0.6〜0.4mmが適正溝条件と考えられた。
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