2001 Fiscal Year Annual Research Report
西部亜寒帯太平洋の動物プランクトンの群集構造と長期変動の解析
Project/Area Number |
12660160
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
志賀 直信 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (30091466)
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Keywords | 西部・中部亜寒帯太平洋 / 動物プランクトン / NORPACネット標本 / 尾虫類 / 矢虫類 / 群集構造 |
Research Abstract |
本年度は西部亜寒帯太平洋の動物プランクトンの群集構造が中部域のそれと違いがあるかを検討した。そのために西部域(155°E線)と中央域(180°線)の定線上において1986年から1996年の夏季(6月上旬〜中旬)に採集されたNORPACネット(口径45cm,目合0.33mm;0〜150m鉛直曳)標本を用いて、動物プランクトン群集のうち尾虫類と矢虫類の種組成および個体数密度を調べた。 西部、中部の両域とも水理環境要因によって、亜熱帯領域、移行領域、亜寒帯領域の3つの領域に分けることができた。調査域全体で尾虫類は9属27種、矢虫類は4属22種が出現し、両群とも亜熱帯領域で種の多様性が最も高かった。 亜寒帯領域の尾虫類、矢虫類の群集構造は単純、かつ西部域と中部域では違いが認められなかった。移行領域では、尾虫類群集は両域で異なり、西部ではFritillaria pellucidaが最優占した。一方、矢虫類では両域の違いはなく、亜寒帯領域と同じくSagitta elegansとEukrohnia hamataが優占した。亜熱帯領域では西部で矢虫類の個体数密度が高く、Sagitta nagaeが最優占した。 以上のように、西部と中部の尾虫類と矢虫類の種組成は亜寒帯領域では違いは認められなかったが、移行領域と亜熱帯領域では違いが認められた。これは西部域は中部域に比べて黒潮続流の影響を受けやすいことによるものと推定された。
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Research Products
(1 results)