2000 Fiscal Year Annual Research Report
魚類光受容器の機能発現・分化に関する免疫細胞化学的研究
Project/Area Number |
12660167
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大村 百合 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (50023479)
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Keywords | 仔稚魚 / 網膜 / 松果体 / 光受容細胞 / 細胞増殖 / 明暗順応 / タウリン / 免疫細胞化学 |
Research Abstract |
1.タウリンの免疫細胞化学的局在に関する研究成果を取りまとめ、平成12年度日本水産学会春季大会にて「魚類の網膜桿体細胞におけるタウリンプールの日周性」について講演発表するとともに、XV Inter national Symposium on Morpholoqical Sciences, Sep.18-21,2000 in Kyotoに出席して"Immunocytochemical localization of taurine in the fish retina under the light-and dark-adapted states"と題するポスター発表を行った。 2.さらに、京都大学大学院農学研究科竹内壱明博士らにより作製された抗体を用いて、昼・夜すなわち明、暗順応状態でシラスウナギとキンギョの網膜におけるタウリントランスポーターの免疫細胞化学的局在を調べた。タウリンの場合と比較し、両者は桿体細胞に並存することが示唆された。 3.アユやニジマスの初期発育過程およびヒラメやウナギのライフサイクルにおける光受容器の機能発現と分化に関する研究成果をまとめ、東京大学海洋研究所シンポジウム「魚類神経科学研究の現状と展望」において(11月21日、22日)「魚類の網膜における光受容細胞の分化と増殖」と題する講演発表を行い、さらにこの分野の優れた研究報告に関する解説を加えて「魚類のニューロサイエンス(仮題)」(恒星社厚生閣より平成13年9月末日発行予定)に掲載予定の原稿を鋭意執筆中である。 4.フランクフルト大学医学部にて(3月4日〜18日)、Korf,Horst-W.教授(海外共同研究者)およびマックスプランク脳研究所Meissl,Hilmar教授と共同で、主に蛍光二重標識法を用いニジマス胚体および仔稚魚における光受容神経内分泌系の機能発現・分化を調べる。 5.現在、ヒラメやウナギのライフサイクルにおける網膜光受容細胞の増殖機構の解明に最も力を注いでいるが、今年度の備品費では落射蛍光顕微鏡が部分的にしか設置できず、未だ蛍光標識法を実行に移すことができない状態なので、上記共同研究では蛍光二重標識法を最優先に用いて実績を上げ来年度にそなえる。
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Research Products
(1 results)