2001 Fiscal Year Annual Research Report
バイオビジネスにおける経営行動評価の統合理論と実践的ケーススタディの開発
Project/Area Number |
12660206
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
門間 敏幸 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (30318175)
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Keywords | バイオビジネス / 経営者能力 / ケース・メソッド / トップマネジメント / 意思決定 |
Research Abstract |
本年度は,前年度に整理したバイオビジネスの経営者能力評価指標,ならびに実践的なケース・メソッドが備えるべき条件に従って調査を実施した。調査内容ならびに得られた成果の概要は,以下のとおりである。 1)1,000万円以上の農業所得を実現している農業経営者78名,食品の加工・流通・資材生産に関わる企業のトップマネジメント18名を対象に,その経営者能力測定のための調査を実施した。また,農業経営者2名,酒造業,たれ生産,種苗会社,造園施工それぞれ1名の計6名のバイオビジネスのトップマネジメントを対象に,経営者能力ならびに経営管理能力を育成するための教育用ケース・メソッドの開発を試みた。このケース・メソッドは,(1)バイオビジネスが対象である,(2)トップマネジメントの意思決定に焦点をあてた,ことに最大の特徴がある。 2)農業経営者能力評価に関する調査結果からは,農業経営の成功には「地域住民の支援獲得」「経営者としての明確な理念」「革新的な技術採用」「責任感」「日常的な現状改革意識」「情報収集力」「優先順位に従った仕事の処理」「仲間や地域社会とのネットワーク」「挫折か失敗の経験」が重要であることがわかった。 3)企業のトップマネジメントの経営者能力評価に関する調査結果からは,企業の成功には「地域住民の支援獲得」「経営者としての明確な理念」「環境問題への対応」「情報収集力と先見性・戦略性」「コミュニケーション能力」「責任感」「日常的な現状改革意識」「仲間や地域社会とのネットワーク」「時間の有効利用」が重要であることがわかった。 4)バイオビジネス・ケース・メソッドの開発にあたっては,トップマネジメントの意思決定に焦点を当てることが,企業経営における問題解決行動のメカニズムを分析するのに有効であることが明らかになった。なお,開発したケースの教育面における効率的な活用方法については,次年度に検証する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 門間敏幸: "日本農業の構造変動と動向予測分析の課題と方法"ファーミングシステム研究. 2. 1-12 (2001)
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[Publications] 門間敏幸: "関東東山農業の構造変動の実態と将来動向"ファーミングシステム研究. 2. 55-84 (2001)
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[Publications] 門間敏幸: "日本農業の構造変動の実態と21世紀の姿・課題を展望する"ファーミングシステム研究. 2. 218-238 (2001)
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[Publications] 門間敏幸 他5名: "農企業による有機農産物の生産・流通の取り組みと課題 -フィリピン企業の事例分析-"東京農業大学農学集報. 46(2). 130-141 (2001)
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[Publications] 門間敏幸: "日本における農村貧困克服の先駆的試み -世界に誇れる大原幽学・二宮尊徳の挑戦-"開発学研究. 12(1). 12-19 (2001)
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[Publications] 門間敏幸: "資源循環型ファーミングシステムの実態と課題 -ベトナムメコンデルタを中心として-"熱帯農業. 45(5). 349-355 (2001)
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[Publications] 門間敏幸: "TN法 -住民参加の地域づくり-"家の光協会. 247 (2001)