2002 Fiscal Year Annual Research Report
河川工作物(魚道)における生態・水環境機能に関する研究
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12660212
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Research Institution | HIROSAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
泉 完 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (60132007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 信行 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (40262977)
佐原 雄二 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10113797)
工藤 明 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10091604)
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Keywords | 河川工作物 / 魚道 / 魚道の遡上・水理調査 / 河川淡水魚類 / 水理特性 / バーチカルスロット型魚道 / アイスハーバー型魚道 / 魚類の放流実験 |
Research Abstract |
標記研究課題について、本年度の研究実績の概要は以下の通りである. 魚道構造に起因する水理特性と魚類の遡上・遊泳特性を調べるため,青森県の一級河川岩木川水系の浅瀬石川支流中野川に設置されている田山堰頭首工魚道で調査を行った. 頭首工は,日本海の河口から約70km上流にあり,山地渓流の河川形態に位置している.調査対象魚道は,パーチカルスロット型魚道で,全長37.9m・幅2.0m,隔壁間隔2.5m,勾配1:13,プール間落差0.19mで,隔壁には右岸側に幅0.25m・高さ1.14mのバーチカルスロットがある. 本魚道では,実際に設置されている魚道構造に起因する流れ場と魚類の行動特性を明らかにするため,この河川に生息が確認されている淡水魚のイワナを供試魚にして,放流実験と魚道内の詳細な水理調査を行った.調査項目は,24時間の遡上調査・気象観測・魚道水路における水理条件・プール内の流速と水面計測・小型水中TVカメラを用いた遊泳魚のプール内における魚の遊泳行動とスロット部を通過する魚の遊泳速度である.本調査結果から,以下に示す有益な知見を得ることができた. 1)小型水中TVカメラを用いた観測からプール内における魚の遊泳行動とスロット部を通過する魚の遊泳速度,2)スロット部およびプール内の3次元的中流速分布特性と水面変動特性が明らかにされ,バーチカルスロット型魚道の水理構造に起因する流れ場と魚類の行動特性との関係を明らかにすることができた. これらの研究成果の一部を農業土木学会誌・農業土木学会応用水理研究部会論文集・水工学論文集に公表した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 泉 完, 高屋 大介, 工藤 明, 東 信行: "魚道隔壁での魚類等の遡上経路を小型水中TVカメラで測る"農業土木学会誌. 70巻・2号. (2002)
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[Publications] 泉 完, 工藤 明, 東 信行, 菅原賢治: "バーチカルスロット型魚道における淡水魚の放流実験と流況"平成14年度農業土木学会大会講演要旨集. 平成14年度. 78-79 (2002)
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[Publications] 菅原賢治, 泉 完, 工藤 明, 東 信行: "バーチカルスロット型魚道における淡水魚の放流実験と流況(2)-魚道プール内の遊泳魚の動態とその水理特性-"農業土木学会, 応用水理研究部会講演集. 平成14年度. 5-10 (2002)
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[Publications] 泉 完, 高屋 大介, 工藤 明, 東 信行: "赤石川赤石第2頭首工のアイスハーバー型魚道隔壁における魚類の遡上行動"水工学論文集. No.47. (2003)