2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660223
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
伴 道一 高知大学, 農学部, 助教授 (20198956)
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Keywords | 河川 / 浸透層 / 水質浄化 / 硝化 / 瀬 / 硝化細菌 |
Research Abstract |
河川水中の溶存無機態窒素の酸化過程に着目し,瀬の河川水浄化能力の定量化を試みた.物部川の下流部を調査対象とし,瀬の河岸の砂礫層における浸透流速,流向,水温,間隙率,各態窒素濃度などの測定,ならびに礫中の硝化バクテリア現存量の推定を行った.これらをもとに硝化菌の硝化細菌増殖モデルを用いて,礫層中での硝化能力と瀬で酸化される窒素量を推定し,河川水の浄化における瀬の役割を明らかにした. 平水時における河岸の浸透層では間隙率が一様でなく,窒素負荷特性も場所によって変化に富むので,細菌の現存量においてもその空間的偏差が大きい.現場砂礫中の細菌密度はアンモニア酸化菌0.5〜1.5mg/L,亜硝酸酸化菌0.05〜0.2mg/Lであり,同じ流下距離で比較すると瀬の浸透層では緩流部の10倍以上の窒素を硝化することが分かった.さらに,処理排水として負荷される量の約1/5に相当する無機態窒素が直下流の河岸の浸透層で酸化されていることが明らかになった. 次に,浸透流速と浸透水質が浸透層内の硝化能力におよぼす影響の解明を試みた.現地河岸で採取した浸透層砂礫を充填した円筒形カラムに試水を供給することで河岸浸透流を再現した.浸透流速と浸透水質を変化させた実験結果から,浸透水質と流速が無機態窒素の酸化過程におよぼす影響を考察した. 浸透水が砂礫層を一方向に通過することでバクテリアの硝化活性が高まることが明らかになった.浸透水中の無機態窒素濃度と浸透流速の影響を考慮して硝化能力を評価した結果,浸透水の無機態窒素濃度と浸透流速が高いほど砂礫層の硝化能力は高くなる傾向が得られた.観測値を用いて現地浸透層の硝化能力を評価することが可能である.
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Research Products
(1 results)