2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660225
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
黒田 正治 九州共立大学, 工学部, 教授 (50039319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 真一 九州共立大学, 工学部, 助教授 (30268817)
江渕 武彦 九州共立大学, 経済学部, 助教授 (80299396)
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Keywords | 農業用水 / 水利システム / 用水の多面的機能 / 水田灌漑 / 水質保全 / 地域用水 / 水利権 / 法社会学 |
Research Abstract |
1.研究の目的:本研究では、地域社会における農業用水の存在の必然性に関する社会一般の認識を得るために、これらの農業用水が備えている多面的な機能と役割を評価することを研究の目的とする。 2.研究の特徴:農業水利システムの運用は、操作・管理など農業土木の技術的な問題であると同時に、水利権を含めた法社会学的な問題でもある。したがって、本研究の遂行にあたり、その両面から取り組むこととした。 3.研究成果の概要 (1)水利実態の把握:現況の農業水利システムを対象に、用水の取水実態とこれに関与する要因の分析を行なった。手法として数量化理論I類を適用した。これによって、農業用水の多面的な機能発現に際して、灌漑用水の内数となる成分と、外数として付加することを要する成分の存在が明らかとなった。 (2)水利システムの操作特性分析:低平地水田地帯の水利システムを対象に、DP法を適用して最適取水操作と取水実態との比較検証を行ない、水利システムにおける調整池(クリークを含む)の重要性を指摘した(黒田ほか)。また、水田灌漑の水質保全機能について、調査・分析を行なった(黒田、竹内ほか)。 (3)水利システムの管理:用水需要と用水供給上の制約との間の調整を図るうえでの調整施設の機能・役割の分析を行ない、水利システムの合理的な管理を可能にするために、水利システムのレイアウト作成に際して、考慮するべき要件について提言を行なった(黒田)。 (4)水利権と地域用水:水利システムを運用する際の前提となる"水利権の歴史過程と地域用水との関連"に関して法社会学の立場から研究を行ない、土地改良区による非灌漑用水(地域用水)管理の妥当性を論じた(江渕)。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] R.Jayadi,T.Fukuda Y.Nakano,M.Kuroda: "Deterministic Optionization of Irrigation Water Allocation in a Low-lying Paddy Area with Creek Networks."Jour.Fac.Agr.,Kyushu Univ.. 44(3・4). 419-429 (2000)
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[Publications] 江渕武彦: "農業水利権の法的地位"第10回日韓土地法学術研究大会. 1-16 (2000)
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[Publications] T.Fukuda,Y.Nakano,M.Kuroda,S.Takeuchi et.: "Water Management and Water Quality of Packly Area Cidanau Watershed at West Java"Proc.of Toward Harmonization between Development and Environmental Conservation in Biological Production. 201-205 (2001)
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[Publications] 黒田正治(編著): "農業水利システムの管理"(社)農業土木機械化協会. 374 (2000)