2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660238
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Research Institution | Hiroshima Prefectural University |
Principal Investigator |
井上 興一 広島県立大学, 生物資源学部, 教授 (50087897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 弘司 広島県立大学, 生物資源学部, 教授 (20087878)
小倉 東一 M式水耕研究所, 経営企画室, 室長
村瀬 治比古 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20137243)
清水 浩 茨城大学, 農学部, 助教授 (50206207)
山田 學 広島県立大学, 生物資源学部, 教授 (90106005)
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Keywords | 機能性野菜の生産システム / 水耕栽培 / 高付加価値野菜 / ビタミンC / 鉄 / カルシウム / 水耕野菜の栄養価 / 植物工場 |
Research Abstract |
平成12年度は、主として鉄高含量葉菜類の実用的生産システムを構築する目的で以下の検討を行った。 1.葉菜類に導入した鉄の形態およびその貯蔵後の変化について (概要)クエン酸鉄アンモニウム処理により導入された鉄の形態は、その約60%が可溶性もしくは交換性鉄として存在していること、また、貯蔵期間や貯蔵中の温度にほとんど影響されないことが明かとなった。このことは、導入した鉄の約60%がヒトに吸収される可能性のある鉄であることを示している。この結果については、植物工場学会平成12年度大会で発表し、また結果の一部を論文として学会誌に掲載した。 2.鉄導入処理において、温度条件がレタス葉部の鉄含量に及ぼす影響 (概要)本学のミニ植物工場において、鉄濃度100mgL^<-1>、処理時間12時間に設定し、温度を15,20,25,30℃の4段階に変え、DFTで密植栽培したレタスに対する鉄の導入量を調べた。温度が高い程、鉄は効率的に導入されるが、30℃では萎ちょうが激しいので処理温度は25℃付近が適当と判断された。また、密植条件では栽培パネルの外側の株に比べ内側の株は鉄の吸収効率が悪いことも明かとなった。 3.密植条件において、湿度の違いがレタスの鉄導入効率に及ぼす影響 (概要)2の実験の密植状態における処理で、栽培パネルの内側の株の鉄導入効率が悪い理由は、相対湿度が大きく影響していると判断し、12時間の鉄導入処理中、パネルの中央部、中間部および側部の3ヶ所に湿度、温度、照度の各センサーを配置した。これらの連続測定値の平均とその部位の株の葉部鉄含量を比較したところ、相対湿度と鉄含量との間に密接な負の相関が認められた。現在、送風などの方法により、湿度を制御して株全体の均一導入を検討している。 平成13年度は、密植条件において、鉄塩、ビタミンCおよびCa塩の株全体の均一導入条件のノウハウについて検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 本西誠亮,井上興一: "葉菜類に導入した鉄の形態およびその貯蔵後の変化"日本植物工場学会平成12年度大会講演要旨. 別冊. 62-63 (2000)
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[Publications] 本西誠亮,井上興一: "ホウレンソウおよびレタスに導入した鉄の形態およびその貯蔵後の変化について"植物工場学会誌. 13・1. 55-58 (2001)