2001 Fiscal Year Annual Research Report
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12660238
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
井上 興一 佐賀大学, 農学部, 教授 (50087897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染谷 孝 佐賀大学, 農学部, 助教授 (30154719)
小倉 東一 M式水耕研究所, 経営企画室, 室長
村瀬 治比古 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20137243)
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Keywords | 機能性野菜の生産システム / ステビア / 高付加価値野菜 / ビタミンC / 鉄 / 香り成分 / 低硝酸含量野菜 / 植物工場 |
Research Abstract |
平成13年度は、12年度に引き続き密植条件において、鉄塩およびアスコルビン酸の均一導入条件のノウハウについて検討した。また、新たに葉菜類の味質改善についても検討した。 1.密植栽培条件における鉄およびアスコルビン酸の均一導入条件について (概要)平成12年度の研究で、密植栽培条件では栽培パネルの外側の株に比べ内側の株は導入成分の吸収効率が悪いことが明かとなった。パネル上部(葉菜類の10cm上部)に小型の扇風機にて2.0m/Sの風を送り(葉菜類直上部の風速は2〜5cm/s)、アスコルビン酸あるいは鉄塩の導入処理を行った。この結果、湿度は一定となり、導入成分も全ての株にほぼ均一に導入されたが、送風区の成分導入量が無風区の場合より明らかに低下した。このことは、送風により葉部の蒸散が促進され、急激な水分ストレスにより気孔を閉じ、吸水力が低下したことに起因すると考えられた。今後、風速および風向などを詳細に検討する予定である。 2.ステビア類(甘味料)および香り成分導入による味質改善について (概要)ステビア類の中で分子量804のステビオサイド(ST)が最もよくリーフレタスに吸収された。次いで、分子量966のレバウディオサイドA(Reb-A)であり、これ以上分子量の大きいステビオール配糖体はほとんど吸収されなかった。処理後のレタス葉に強烈な甘みが認められたが、えぐみを持つSTが多く含まれるため、STの吸収を抑制し、えぐみの弱いReb-Aの導入効率を高める手法を今後検討する。また、香り成分も導入でき、レタスに種々の香りを付けることが可能となった。しかし、香り成分のエステル類やアルコール類は揮散し易く、2日程度しか香りが保たれないことおよび香り成分の持つ苦みが強調されることなどの欠点も明らかとなった。今後、葉菜類の味を落とさずかつ香りの持続する香り成分の開発を検討する。 平成13年度の概要は、2001年度西日本支部総会および九州支部例会のシンポジウムで講演した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 本西誠亮, 井上興一: "葉菜類に導入した鉄の形態およびその貯蔵後の変化"日本植物工場学会平成12年度大会 講演要旨. 別冊. 62-63 (2000)
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[Publications] 本西誠亮, 井上興一: "ホウレンソウおよびレタスに導入した鉄の形態およびその貯蔵後の変化について"植物工場学会誌. 13・1. 55-58 (2001)
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[Publications] 井上興一: "培地環境を制御した機能性葉菜類の生産"植物工場学会2001年度西日本支部総会シンポジウム講演要旨. 1-7 (2001)
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[Publications] 井上興一: "有用成分導入による高品質葉菜類の生産について"植物工場学会2001年度九州支部例会シンポジウム講演要旨. 1-6 (2001)