2002 Fiscal Year Annual Research Report
家畜の行動と心拍変動を指標にした管理ストレス評価に関する研究
Project/Area Number |
12660242
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松井 寛二 信州大学, 農学部, 教授 (50126166)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 謙一 信州大学, 農学部, 助手 (90324235)
久馬 忠 信州大学, 農学部, 教授 (80283240)
|
Keywords | 放牧牛 / 身繕い行動 / ストレス / 産卵鶏 / テレメーター / 心拍数 |
Research Abstract |
これまで夏季に放牧牛に付着する刺咬性ならびに非刺咬性昆虫は直接的に各種の身繕い行動を頻繁に誘起させ、食草行動、休息行動を撹乱させ、また心拍数も増加させることを明らかにした。そこで、放牧牛にとってストレッサーとなっている付着昆虫と身繕い行動反応について調べた。ほぼ同一条件下で飼育管理されている黒毛和種繁殖雌牛26頭(3〜14歳)を供試し、放牧牛に付著する昆虫数と付着昆虫数に対する頭振り、脚上げ、尻尾振りの3種類の身繕い行動回数との関連を調べた。付着昆虫数は放牧牛間で有意な差があり、また身繕い行動回数も個体間で有意な差がみられた。さらにこれらの牛を埋設型体重計の中に誘導し、体重計枠内に1分間静置した時の逃避反応をSato(1981)の気質評点基準に従って、4つのカテゴリーに分類した。その結果、身繕い行動回数は気質評点1(おとなしい)よりも落ち着きのない牛群(気質評点3、4)の方が有意に多かった。付着昆虫は放牧牛にとってストレス刺激であり、またその反応に個体差が存在することを明らかにした。 また、産卵鶏を用いて、対照として、単飼ケージ飼育、照明時間を15時間、餌および水を自由摂取、室温を20℃として飼育した(対照群)。この飼育条件から2日間、1日につき20時間絶食させる(絶食群)、ケージ床面積を62.5%に減少させる(スペース制限群)、および照明時間を6時間短縮させる(明期短縮群)3つのストレス環境を設定して実験を行った。小型テレメーターをニワトリの腹腔内に装着して、無拘束状態で心拍数、体温、活動量の日周変化を調べた。絶食群では心拍数と体温が減少し、活動量が減少した。スペース制限群では心拍数と体温はともに明期および暗期において増加し、明期短縮群では、心拍数は明期で減少し、暗期で増加した。短期間の飼育条件の変化がエワトリの行動及び生体情報に及ぼす影響の一端を明らかにした。
|
Research Products
(2 results)