2001 Fiscal Year Annual Research Report
食肉のテクスチャープロフィール特性のシミュレーション解析
Project/Area Number |
12660245
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
泉本 勝利 岡山大学, 農学部, 教授 (70003142)
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Keywords | 食肉 / テクスチャー / シミュレーション / せん断力 / コンピュータ解析 / 歯切れ / 歯ごたえ |
Research Abstract |
SFV(shear force value,せん断力)プロフィール特性によって食肉のテクスチャーを解析した.加熱によって筋線維の硬化と同時に結合組織の脆弱化による軟化の逆の現象が進行していた.SFVプロフィールは生肉では単純な放物線状の増加を示し,最大値がストローク終点に現われた.SFV最大値は加熱によりストローク中点の方向にシフトした.加熱によるストローク中点のSFV_<50>の増加は筋線維の硬化に,逆にストローク終点のSFV_<100>の減少は結合組織の脆弱化に対応した.これら硬軟逆方向の対立する現象は,温度-時間-SFVの立体グラフまたは三次元等高線グラフによって高温・長時間ほどSFV_<50>は増加し,逆にSFV_<100>は減少する規則性が認められ,矛盾なく説明できた.SFV_<50>およびSFV_<100>は歯ごたえおよび歯切れの食感の指標となり,加熱損失や明度との間に正の相関があった.良好なテクスチャーはパステリゼーション加熱条件に合致した.SFV_<50>とSFVプロフィールは感性のテクスチャーをリアルタイムに解析するために有用であった.せん断過程における形状変化のシミュレーションは実際の試料の形状とよく一致し,その形状変化の過程が視覚的に明瞭になった. 開発したコンピュータ制御によるSFV測定機で測定されるSFVプロフィールの解析によって,感性としてのテクスチャーとの対応が明らかになり,SFVプロフィールは食肉全般の統合的なテクスチャー特性の解明への有用なパラメータになり得ると考えられた.コンピュータ処理によるこのシステムはリアルタイム測定,プログラム演算,データの記録など従来にない機能をもっているので,人工知能や言語表現などによって,より高度な感性テクスチャーのヒューマンインターフェースへの発展が期待される.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 泉本勝利, 土井瑞芳: "食肉・食肉製品のせん断力プロフィール特性の解析と比較"日本畜産学会報. 71(10). 498-504 (2000)
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[Publications] 土井瑞芳, 泉本勝利: "食肉の加熱温度-時間-せん断力プロフィール特性の解析"日本畜産学会報. 72(9). 371-377 (2001)