Research Abstract |
1.ホロホロチョウの卵管子宮部内の卵が,滞留時間の経過に伴いいかなる卵形成上の変化を示すかを明らかにするため,子宮部内滞留時間が2,5,8,11,14,17及び20時間に相当するとみなされる時間に卵を採取し,卵殻部(卵殻膜を分離しない卵殻)の厚さ及び重量,卵の全重量及び長径と短径を測定した。卵の卵殻部の厚さと重量は,子宮部滞留2時間においてGFの方がWLよりも大であったが,GFもWLもともに子宮部内滞留時間の経過に伴い増加を示し,それらの増加量もGFの方がWLよりも大であった。卵の全重量は,子宮部滞留2時間においてはGFとWLには差がなかったが,GFでは5時間においてもほとんど増加していなかったのに対し,WLでは顕著に増加していた。GFでは8時間において増加を示したが,その増加量はWLよりも少なかった(約1/3)。卵の長径はGFではほとんど変化を示さなかったのに対し,WLでは8時間において僅かに増加した。短径はGFもWLもともに8時間においてわずかな増加を示した。以上の結果から,GFの方がWLよりも卵殻(卵殻膜を含む)が厚いことの理由は,卵殻膜が厚いとともにカルシウム沈着量が多いからであろうと考えられる。 2.[^<125>I]標識副甲状腺ホルモン関連タンパク質を用いて,卵管子宮部粘膜組織の細胞膜画分について結合アッセイを行い,結合特異性,飽和性,可逆性,親和性,結合容量を検討した結果,卵管子宮部における副甲状腺ホルモンのレセプターの存在が推察された。そこで,放卵から次の放卵までのいろいろな時間におけるこのレセプターの結合親和性を比較した結果,卵殻形成が行われている時間帯ではレセプターの結合親和性が高いことが明らかとなった。従って,副甲状腺ホルモンが,卵管子宮部において,レセプターを介する作用によって卵殻形成に関与するのであろうと推察された。
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