2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660251
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
吉澤 緑 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60114162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 えみ子 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20208341)
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Keywords | マウス / ウシ / 卵胞内卵子 / 体外成熟 / 減数分裂 / 染色体異常 |
Research Abstract |
本研究では、マウスおよびウシの卵胞内卵子の体外成熟、体外受精、体外培養について細胞遺伝学的見地から検討し、細胞遺伝学的に正常な胚の効率的作出に繋がる卵胞内卵子を用いた体外受精システムを確立することを目的とした。本年度は、以下のような実験を行って成果を得て、これを公表している。 1.マウス卵胞内卵子の体外受精後の発生能と初期胚の染色体分析 過排卵処理後の雌マウスよりhCG投与9,10,11,12時間後に卵胞内卵子を採取、培養し、hCG投与16時間後に雄マウスの精巣上体尾部より採取した精子を2時間培養後、最終精子濃度200sperm/μlで体外受精させた。一部の受精卵は第1卵割期に染色体標本とし、その他は胚盤胞期まで発生させて染色体標本とした。第1卵割期の染色体分析において、多倍体の胚の発生率は卵胞内卵子区では11.6-24.2%で排卵卵子区の9.5%より高かった。胚盤胞への発生は卵胞内卵子区では61.4-67.2%で排卵卵子区の84.0%に比べ有意に低かった。胚盤胞での染色体分析では、卵胞内卵子区で3倍体が2例観察されたにすぎなかった。この結果より、卵胞内卵子は受精能は有するが、多精子侵入を受け易く、また発生率の低下を示すことが明かとなり、これらは、卵子の成熟が不十分なためと考えられた。本成果は、第45回日本不妊学会学術講演会で発表された。 2.ウシ未成熟卵子の体外成熟とその初期胚の染色体分析 ウシ体外受精において出現する染色体異常胚の一因を明らかにするために、卵胞内卵子の体外成熟時間に注目し、極端に成熟時間を短縮させた卵子を体外受精に供し、作出された胚の染色体分析を行った。卵胞内卵子を卵丘細胞と12または26時間体外で共培養した後、体外受精に供し、媒精48時間後に分割した胚を10時間ビンブラスチン処理し、染色体標本を作製した。媒精48時間後に26時間区では83%が8-16細胞期であったが、12時間区では75.8%の胚が2-4細胞期で発生の遅れが見られた。12時間区における染色体異常の出現率は、66.7%で、26時間区の27.8%より有意に高かった。これらの異常は、未熟な卵子への精子侵入によって引き起こされたものと推察された。本結果は原著論文として発表された。
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Research Products
(1 results)