2000 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ凍結乾燥精子の卵細胞質内精子注入法による受精と胚発生
Project/Area Number |
12660258
|
Research Institution | Hiroshima Prefectural University |
Principal Investigator |
堀内 俊孝 広島県立大学, 生物資源学部, 助教授 (70209279)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 學 広島県立大学, 生物資源学部, 教授 (90106005)
|
Keywords | 卵細胞質内精子注入法 / ウシ / 凍結乾燥精子 / 精子再凍結 / 精子アスター |
Research Abstract |
ウシ凍結乾燥精子の卵細胞質内精子注入法(ICSI)を確立するため,(1)凍結融解精子の低温保存による精子膜無損傷率(生存率),再凍結による生存率,凍結乾燥による生存率,(2)ICSI後の前核形成率,(3)ICSI後の発牢率,(4)凍結乾燥精子のICSI後の精子アスター形成(精子由来微小管形成は前核の移動,染色体配列,第一卵割に関与)を調べ,以下の知見が得られた。 (1)凍結精液3種類の融解直後の生存率は各69%,68%,62%,1〜7日間の低温保存による生存率は各51〜14%,48〜25%,35〜10%となり,保存日数とともに減少した。ドライアイス錠剤化法による再凍結で融解温度0℃,37℃とLN_2ガス平衡0分,5分を比べた結果,融解温度0℃LN_2ガス平衡5分での生存率(47%)は有意に高かった。凍結乾燥精子は,すべて精子膜を損傷していた。(2)低温保存及び再凍結した生存精子のICSIによる前核形成率は凍結融解生存精子の割合と同様であった。凍結乾燥精子をICSIした88個のうち正常2前核形成率は75%であった。(3)再凍結した生存精子をICSIした148個のうち2PB放出率は78%,卵割率73%,胚盤胞期率20%で,凍結融解生存精子の割合と同様であった。凍結乾燥精子をICSIした112個のうち,2PB放出率は65%,卵割率12%で,4細胞期以降には発生しなかった。(4)βチューブリン抗体の蛍光免疫染色によって体外受精卵では63個の卵子のうち52%で精子アスター形成が観察された。凍結融解生存精子のICSIでは47個の卵子のうち57%で精子アスター形成が観察されたが,その形成のサイズは小さかった。一方,凍結乾燥精子のICSIでは,62個の卵子のうち16%で精子アスター形成が観察され,その割合は著しく低くかった。このことが凍結乾燥精子での低い卵割の原因と考えられた。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Horiuchi T,Emuta C,Yamauchi Y,Oikawa T,Numabe T,Takada N,and Yanagimachi R: "Birth of calves following intracytoplasmic sperm injection using piezo micromanipulation"Theriogenology. 55・1. 504 (2001)