2000 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類外側中隔における髄液接触ニューロンの光受容細胞としての形態学的解析
Project/Area Number |
12660270
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
蛭薙 観順 名古屋大学, 博物館, 助教授 (00126898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 勝洋 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (10012022)
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Keywords | ウズラ / 免疫組織化学 / 走査電顕 / 外側中隔 / 髄液接触ニューロン / VIPニューロン / 視物質 |
Research Abstract |
ウズラ終脳の外側中隔側脳室壁の近傍に存在する髄液接触ニューロン(cerebrospinal fluid-conacting neuron)の形態と分布を検討した。 (1)免疫組織化学法による検討 VIP(vasoactive intestinal peptide)(神経ペプチドの一種)様の物質を含む髄液接触ニューロンの細胞体は外側中隔側脳室の腹内側壁で、吻尾方向におよそ750〜1000ミクロンで観察された。細胞体は中隔中脳路の線維束が開始する高さで密度が高かった。さらにVIP様免疫陽性を示す線維、終末とみられる瘤状突起は傍嗅葉から視交叉前野にかけて分布していた。陽性細胞体は双極性であり一方の突起は上衣を通過しクラブ状の終末部で脳室内に終わっていた。終末部の直径は1〜2ミクロンであった。ロドプシンもしくはオプシンに対する抗体による免疫組織化学でも細胞体の分布に関しては同様の結果が得られ、両方の物質がが同一の細胞に共存する可能性が示唆された。 (2)走査電子顕微鏡による検討 観察する脳室壁を含む脳スライス標本を実体顕微鏡下で作製し、通常の走査電顕で外側中隔上衣表面の観察を行った。外側中隔器官内側部における上衣面の限定した領域に線毛束の間に直径2ミクロン程度の球状突起が認められた。あるものは集合して分布していた。およそ1000ミクロンにわたる脳室壁に400〜500個の球状突起が観察された。 (3)結論 免疫組織化学による髄液接触ニューロンの分布と走査電顕による側脳室壁の球状突起の分布領域はほぼ一致していた。以上の結果よりウズラ外側中隔では脳室内突起をもつ髄液接触ニューロンが吻側部に局所的に分布することが明らかとなり、またそれらはVIPおよび視物質抗体で陽性反応を示すことが明らかとなった。
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