2000 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ心臓の生理学的・医学的意義に関する形態計測的解析
Project/Area Number |
12660282
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
町田 登 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20219364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樫田 陽子 東京農工大学, 農学部, 助手 (00313289)
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Keywords | スポーツ心臓 / 生理的心肥大 / 心臓性突然死 / レースバト / ドバト / 心臓 / 心筋細胞 / 形態計測 |
Research Abstract |
飛翔能力により選抜・改良が重ねられた結果、先天的に心肥大を有するようになったレースバトの心臓と、その同一種であるドバトの心臓とを形態計測によって比較することにより、スポーツ心臓の特徴ならびに意義を特に心筋細胞の形態学的側面から明らかにするとともに、スポーツ選手や競走馬にみられる心臓性突然死の発生メカニズム解明のための基礎データを得ることを目的に、レースバト47羽とドバト50羽を用いて心臓の形態計測学的検索(計測項目:体重、心臓重量および心臓重量/体重比;左心室の壁面積および内腔面積;心筋細胞の断面積および長さ;心筋層の毛細血管密度)を実施した。結果として、レースバトの心臓重量/体重比はドバトのそれを13.5%上回っていた。左心室の壁面積に関して両者に有意差は認められなかったが、左心室の内腔面積はレースバトがドバトを38.9%上回っていた。また、心筋細胞の断面積および心筋層における毛細血管密度については両者の間に有意な差はみられなかったが、心筋細胞の長さはレースバトがドバトを15.8〜18.0%上回っていた。以上の所見から、両者の間に認められた心臓重量/体重比の差は、心筋細胞の長さの差によることが明らかになった。また、レースバトの心臓にみられた形態計測学的特徴は遠心性肥大の範ちゅうに属するものであり、さらに心筋細胞レベルでの特徴は、長距離ランナーに認められる循環血液量増加に伴う容量負荷心肥大の所見と一致するものであった。
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