2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660292
|
Research Institution | Nippon Veterinary and Animal Science University |
Principal Investigator |
山野 秀二 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (20001539)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
添田 聡 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助手 (90318569)
内藤 善久 岩手大学, 農学部, 教授 (40003785)
|
Keywords | 褐毛和種牛 / 矮小体躯症 / 成長ホルモン / 灰化軟骨基質 / 骨端軟骨板 / 反射電子 |
Research Abstract |
1.GH分泌能の検索 褐毛和種牛における矮小体躯症の発症に成長ホルモン(GH)の関与があるかどうかを確認する目的で、キシラジン(0.3mg/kg)の静脈内投与によるGH分泌刺激試験を行った(症例1:8ヶ月齢、症例2:5ヶ月齢、症例3:12ヶ月齢、対照例:10ヶ月齢3例)。キシラジン投与前30、15、0分および投与後15、30、45、60、80、100、120分にヘパリン添加真空採血管を用いて採血し、血漿を分離後、Johkeの方法に準じた2抗体法によるラジオイムノアッセイで血妓中のGH濃度を測定した。標準曲線作成のための標準ホルモンと標識ホルモンにはウシGH(USDA-bGH-B-1,USDA, USA)を、またl次抗体にはサル抗bGH血清を、2次抗体にはヤギ抗サルイムノダロブリン血清を用いた。この結果、血漿中GH濃度は全症例および対照例でキシラジン投与後速やかに増加し、投与30分後に最高値を示し、以降速やかに減少した。以上のことから、褐毛和種牛における矮小体躯症の発症にGHの分泌異常は関与していないものと考えられた。 2.骨端軟骨板における石灰化軟骨基質の解析 前回までの検索で、本矮小体躯症において骨端軟骨板内部に不規則な石灰化軟骨基質の分布が認められることを明らかにした。今回はこの石灰化軟骨基質を反射電子像にて観察を行った。この結果、対照例の肥大軟骨細胞層における石灰化軟骨基質と異なり、症例の骨端軟骨板内部のものは粗大な石灰化顆粒によって構成されていた。以上のことから、症例の骨端軟骨板内部で、不規則な肥大軟骨細胞への分化が生じた後、その周辺の軟骨基質で急激な石灰化が生じたものと考えられた。
|