2000 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスで誘導される植物由来遺伝子の過酸化脂質消去機能の解明
Project/Area Number |
12660295
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
杉本 学 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (20216336)
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Keywords | 過酸化リン脂質グルタチオンペルオキシダーゼ / プロモーター |
Research Abstract |
【過酸化リン脂質グルタチオンペルオキシダーゼ様遺伝子のプロモーター領域のクローニング】 シロイヌナズナ染色体DNAを抽出し、各制限酵素Dral、EcoRV、Pvull、Scal、Stulで切断しアダプターを連結したDNAライブラリーを作製した。過酸化リン脂質グルタチオンペルオキシダーゼ様cDNAの開始コドン領域に相補的な塩基配列をもつプライマーとアダプターに相当する塩基配列をもつプライマーを用いてPCRを行ったところ、Dralで切断したDNAライブラリーで約800bp長のDNAフラグメントが増幅した。本DNAフラグメントをクローン化し塩基配列を決定した。開始コドンから153bp上流にTATAボックスと一致する塩基配列TATATAAが、177bp上流にCAATボックスと一致する塩基配列CAATが認められ、転写開始は132bp上流のAであることを推定した。一方、植物遺伝子の制御因子であるABA-responsive element配列ACGTGが302bp上流と325bp上流、cis-acting factorのas-1配列TGACGが361bp上流に認められた。この結果、クローン化した過酸化リン脂質グルタチオンペルオキシダーゼ様遺伝子のうち、少なくとも開始コドンから361bp上流の領域がプロモーターとして必要であることを推定した。 【過酸化リン脂質グルタチオンペルオキシダーゼ様タンパク質の精製】 過酸化リン脂質グルタチオンペルオキシダーゼ様遺伝子のORF領域をPCRで増幅し、大腸菌発現ベクターpET15bのNdel/BamHIに導入した。その結果、ORFの上流にHis-Tag遺伝子が融合したプラスミドpARAGPX-EX1を構築した。pARAGPX-EX1を導入した大腸菌をIPTGで発現誘導して集菌し、超音波破砕法で無細胞抽出液を調製した。無細胞抽出液をNi-NTAアフィニティーカラムに供し、吸着タンパク質をイミダゾールで溶出した。その結果、40mM〜1Mイミダゾール画分に分子量約22,000のHis-Tag融合過酸化リン脂質グルタチオンペルオキシダーゼ様タンパク質が溶出され、SDS-PAGEでほぼ単一のタンパク質バンドになった。
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