2002 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスで誘導される植物由来遺伝子の過酸化脂質消去機能の解明
Project/Area Number |
12660295
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉本 学 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (20216336)
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Keywords | 過酸化リン脂質グルタチオンペルオキシダーゼ / 酸化ストレス / 塩ストレス |
Research Abstract |
過酸化リン脂質グルタチオンペルオキシダーゼ様遺伝子のORF領域をPCRで増幅し、大腸菌発現ベクターpET15bのNdeI/BamHIに挿入してプラスミドpBarGPX-EX1を構築した。pBarGPX-EX1で形質転換した大腸菌クローンをIPTG含有培地で生育させた結果、可溶性タンパク質の約12%を占める分子量約22,000のタンパク質を生産した。クローンを1%NaCl含有LB培地で生育させた結果、クローンの生育はベクターpET15bで形質転換したコントロール大腸菌の生育と同じであった。3%NaCl含有LB培地では、クローンの生育は1%NaCl含有LB培地の場合とほぼ同じであったが、コントロールの生育は1%NaCl含有LB培地の時よりも悪くなった。5%NaCl含有LB培地では、コントロールはわずかしか生育できず10時間後には凝集したが、クローンは生育することができ、14時間後は1%NaCl含有LB培地時の約45%の生育度を示した。7%NaCl含有LB培地では、コントロールは生育することができなかったが、クローンはわずかながら生育することができ、14時間後は1%NaCl含有LB培地時の約23%の生育度を示した。 以上の結果、植物由来過酸化リン脂質グルタチオンペルオキシダーゼ様遺伝子は酸化ストレスを引き起こす塩ストレスに対して抵抗性を付与することが明らかとなり、植物における酸化ストレス/塩ストレス抵抗性に関与するシステムの構成要因であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)