2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 雅典 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50180394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我 浩之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20282121)
八木 秀樹 近畿大学, 薬学部, 助手 (40250740)
伊藤 恒敏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90004746)
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Keywords | コラーゲン誘導関節炎 / ビスフォスフォネート / 好中球 / 破骨細胞 / 造血 |
Research Abstract |
我々は、骨破壊を伴う重症リウマチ性関節炎(RA)患者腸骨骨髄における著しい好中球造血の亢進とその好中球による骨破壊の可能性を示した。また、破骨細胞による骨吸収を強力に抑制するaminobisphosphonate(ABP)をコラーゲン誘導関節炎マウスに投与しても骨破壊が抑制されないことも見いだしている。そこで、本研究の初年度である今年度は好中球による骨破壊の可能性を詳細に検討する目的で、コラーゲン誘導関節炎マウスにABPを投与した時の破骨細胞によらない骨吸収機構を好中球の動態を中心に検索した。 ABP投与群・非投与群共に骨破壊を伴う関節炎が認められ、ABP非投与群に比してABP投与群では炎症が悪化する傾向にあった。骨破壊部位を観察すると、ABP非投与群では多数の酸性フォスファターゼ(ACP)強陽性の破骨細胞が骨表層に認められるのに対し、ABP投与群では破骨細胞は少数存在するもののACP活性は弱く、また骨表面から遊離していた。骨破壊部位には顆粒球が集積していた。電子顕微鏡による観察では、骨鏡面に集積する好中球の一部がruptureし、細胞内顆粒が骨周辺に散在している像が認められた。更に、骨基質から640Åの周期構造を呈するコラーゲン線維が消失していた。両群の成長板軟骨層を比較すると、ABP投与群で石灰化軟骨を含む一次骨梁の残存が著しく、破骨細胞による骨吸収活性がABPにより抑制されていることが確認された。以上のことから、関節炎モデルにおいても顆粒球による骨破壊が強く示唆された。
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