2000 Fiscal Year Annual Research Report
免疫組織化学・分子生物学的手法による胃底腺構成細胞の増殖分化に関する解析
Project/Area Number |
12670023
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
村田 長芳 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60020765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 幸恵 鹿児島大学, 医学部, 助手 (80325787)
津山 新一郎 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30041346)
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Keywords | 高圧凍結 / 凍結置換 / 免疫組織化学 / H-K-ATPase / 壁細胞 / レクチン / 複合糖質 / in situ hybridization |
Research Abstract |
今回の科研費に基づき幾つかの研究を行なっている。ひとつは胃底腺構成細胞の真の姿を追及すべく、胃底腺構成細胞の高圧凍結を行い、凍結置換して構成細胞の微細構造観察を行なった。この方法論は研究申請者が日本で最初に導入した方法である。 この方法は微細構造観察、免疫組織化学、凍結割断、凍結割断免疫組織化学、走査電子顕微鏡の研究等に有用である。今回は高圧凍結、凍結置換による胃底腺構成細胞の微細構造観察、さらに凍結置換した試料を親水性樹脂包埋し超薄切片染色法でH-K-ATPaseの免疫組織化学、複合糖質の電顕レベルでの染色を行なった。この研究を通じて本法により胃底腺構成細胞がきわめてよく保存される事が判明した。アクチンがきれいに保存されこれを容易に観察する事が出来た。また、可溶性物質の保存に優れ、従来の標本作製では見られない構造保存がみられ、免疫染色の結果も従来より高い標識が得られた。その標識パターンにも従来のものと差異が見られた。複合糖質の染色も同様で明らかに高圧凍結、凍結置換が細胞の真の姿をより忠実に反映していると判断出来た。この結果の一部は論文として投稿中である。 もう一つのプロジェクトは、H-K-ATPaseに関してその個体発生に関して同酵素の免疫組織化学、同酵素のベータサブユニットが持っている豊富なガラクトース残基を検出するレクチンを用いた複合糖質組織化学の立場から研究を行ない結論に至るの結果を得つつある。さらに同酵素のin situ hybridizationに関して、従来行なっていたRNA probe法に加え、oligonucleotide probe法での解析を行なうべくその至適シーケンスの決定を最初から行なった。いくつかの優れたprobe候補が見つかり、その合成も終了し実際の染色に入っている段階である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hidaka E: "Coexistence of gland mucous cell-type mucin and lysozyme in gastric gland mucous cells."Histochem Cell Biol. 113・2. 91-98 (2000)
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[Publications] Yang D-H: "Expression of N-acetylglucosamine residues in developing rat fundic gland cells."Histochemical J. 32・3. 187-193 (2000)
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[Publications] 村田長芳: "高圧凍結"電子顕微鏡. 35・2. 109-110 (2000)