2002 Fiscal Year Annual Research Report
免疫組織化学・分子生物学的手法による胃底腺構成細胞の増殖分化に関する解析
Project/Area Number |
12670023
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
村田 長芳 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60020765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 幸恵 鹿児島大学, 医学部, 助手 (80325787)
蓮井 和久 鹿児島大学, 医学部, 講師 (70198703)
津山 新一郎 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30041346)
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Keywords | 高圧凍結 / 凍結置換 / 免疫組織化学 / H-K-ATPase / 壁細胞 / レクチン / 複合糖質 / In situ hybridization |
Research Abstract |
本年度の研究実績 1.本年は、科研費全体の3年目(最終年度)に当たるので本研究の集大成を期した。研究面では細胞の増殖動態解析に対して従来のBrdU免疫組織化学の手法に加えてhistone H3mRNAのin situ hybridization法による増殖動態解析の手技の確立を期し、ほぼその目的を達したと考える。本法を用いて胃底腺上皮細胞と実験的舌癌における動態解析を行った。その結果従来の3H-thymidineラジオオートグラフィーやBrdU免疫組織化学で確認したと同一部位の細胞において反応陽性を見た。但し従来3H-thymidineラジオオートグラフィーやBrdU免疫組織化学の方法が増殖細胞の核を染めるのに対し、本法は細胞質を染めたがこれは当然の事である。実験舌癌の増殖解析を隣接切片に於いてBrdU免疫組織化学とhiston H3mRNA法で比較検討した結果、両者にきわめて高い相関関係が得られた。本法が従来の免疫組織化学に代わって用いうる事が判明した。これらの研究結果は国際学会(第6回日米合同組織細胞化学会議2002年7月Seattle、第43回日本組織細胞化学会総会兼催)及び国内学会(第58回日本解剖学会九州地方会)で発表して評価を受けた。これに基づく論文を大学院博士課程の論文として国際誌に投稿中である。本法はヒト組織に応用でき、事前投与その他前処置を必要とせず、non radioactive法であり永久標本化でき解像力もよく時間もかからず細胞の動態解析に応用出来今後の広い応用が期待される。 2. 研究代表者は、日本電子顕微鏡学会から最高賞である瀬藤賞を授与されたが、これは本研究の評価を一層高める事になった。その他、この研究関連の複数の論文が出されたり、また受理され印刷中の論文もある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tsuyama S: "Cytochemical investigation of gastric gland component cells with high-pressure freezing followed by freeze-substitution and hydrophilic resin embedding"Anatomical Science International. 77. 74-83 (2002)
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[Publications] Hasui K: "Immunohistochemical analysis of the pathogenicity of helicobacter pylori infection : excess nitric oxice induced indirectly by lewis X and Y is the cause of the pathogenicity of helicobacter pylori infestation in the stomach"Acta Histochem Cytochem. 35. 93-100 (2000)
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[Publications] 蓮井和久: "小胞体"日本臨床電子顕微鏡学会編. 39-41 (2002)
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[Publications] 村田長芳: "ゴルジ装置"日本臨床電子顕微鏡学会編. 46-47 (2002)
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[Publications] 村田長芳: "複合糖質の局在と機能"細胞. 34. 596-599 (2002)
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[Publications] Tsuyama S: "Cytochemistry of gastric parieta cells with high-pressure freezing followed by freeze substitution"Journal of Electron Microscopy. (In press).