2000 Fiscal Year Annual Research Report
神経型一酸化窒素合成酵素の活性調節の分子機構とその自律神経制御における役割
Project/Area Number |
12670058
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥村 明子 (橋田 明子) 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (30180813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 宣明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (20224173)
永井 克也 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (70029966)
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Keywords | 一酸化窒素合成酵素 / α1-Syntrophin / SCN |
Research Abstract |
nNOSの細胞内分布とα1-Syntrophinの機能-申請者らは、これまでに神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)とα1-Syntrophinがラット脳において結合することを示す実験結果を得ている。そこで、nNOSの活性と細胞内局在に対するα1-Syntrophinの影響を調べるため、cos細胞にnNOSとα1-Syntrophinを共発現させた。まず、cGMP産生量を測定したところ、細胞の定常状態におけるcGMP量にはα1-Syntrophinの効果は認められなかった。しかし、細胞をカルシウムイオノフォアで刺激した場合、共発現させた細胞ではcGMPの産生量の有意な減少が認められた。また、nNOSの細胞内局在を、共焦点顕微鏡で観察したところ、nNOS単独で発現させた場合はnNOSが細胞全体に存在することが観察されたが、α1-Syntrophinと共発現させた場合は、細胞内一ケ所に両蛋白質が局在することが観察された。現在、どの部分に局在するのか検討中である。以上のように、nNOSはα1-Syntrophinと結合することによって、活性と細胞内局在が制御されていることが示唆された。 nNOSの脳内分布と生理機能-nNOSは視交差上核(SCN)や視床下部室傍核(PVH)にも存在し、自律神経の調節に関与していると考えられている。申請者らはこれまでに、α1-SyntrophinがnNOSと同じくPVHとSCNに比較的多く存在し、これらの領域の一部の神経細胞で両者が共存することを明らかにした。そこで、さらに、これらが視床下部のどのような機能に関わっているかを解析するため、SCN内の主要な伝達物質であるVIP、Vasopressinと共存するか否かを免疫組織化学的に検討した結果、nNOSとα1-Syntrophinが一部のVasopressinニューロンに存在することを示唆する実験結果を得た。 α1-Syntrophinと結合する蛋白質の精製と同定-申請者らはnNOS-Syntrophinの複合体とさらに結合する蛋白質を見出すため、α1-Syntrophinの部分配列をGST融合蛋白質として作成し、これと結合する蛋白質の脳の抽出液からの精製を試みている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Kobayashi,Y.Kobayashi,A.Hashida-Okumura,S.Iimori,K.Nagai and H.Nakashima: "Increase in peripheral blood flow due to extraocular direct irradiation of visible light in rats."Am.J.Physiol.. 279. H1141-H1146 (2000)
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[Publications] Y.Nakahata, et al.: "Light-induced tyrosine phosphorylation of BIT in the rat suprachiasmatic nucleus."J.Neurochem.. 74. 2436-2444 (2000)
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[Publications] T.Shima, et al.: "Changes in circadian period and morphology of the hypothalamic suprachiasmatic nucleus in Fyn-deficient mice."Brain Res. 870. 36-43 (2000)
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[Publications] A.Takano, et al.: "Cloning and characterization of rat casein kinase 1 epsilon."FEBS Letters. 477. 106-112 (2000)
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[Publications] J.Fernandez-de-Cossio, et al.: "Automated interpretation of low-energy collision-induced dissociation spectra by SeqMS, a software aid for de novo sequencing by tandem mass spectrometry."Electrophoresis. 21. 1694-1699 (2000)
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[Publications] M.Kawabuchi, et al.: "The transmembrane phosphoprotein Cbp regulates activity of Src-family protein."Nature. 404. 999-1003 (2000)