2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670063
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (70195923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駿河 和仁 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (70315852)
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Keywords | ラクターゼ / 小腸 / 遺伝子発現 / 転写補足因子 / 核内因子 / Cdx-2 / 甲状腺ホルモン / 発達 |
Research Abstract |
1.小腸における遺伝子発現と関連する転写補足因子(Coactivator)のクローニング:主要な転写補足因子として、ラットのCBP、p300、AFA70、TIF2、SRC-1のcDNAをクローニングした。この中では、CBPとp300が小腸で高い発現性を示し、特にp300は小腸に強く発現するというように小腸特異的な発現性を示した。CBPおよびp300の核内レセプター結合領域とGAL4活性化ドメインの融合タンパク質発現ベクターを構築し、これを核内因子とともにヒト小腸様細胞株Caco-2にtransfectするtwo-hybrid assayの系を確立した。 2.発達に伴う糖質消化吸収関連遺伝子の発現変動と関連する転写調節因子の検討:離乳前から離乳完了期のラット小腸におけるラクターゼ(LPH)の発現に及ぼす甲状腺ホルモン(T_3)の影響を検討した。小腸のLPH mRNA量は離乳開始直前に最大を示した後、離乳完了期まで徐々減少したが、この減少に伴い、小腸のCdx-2mRNA量は減少し、LPH遺伝子5'上流の転写制御エレメントへのCdx-2の結合量も減少した。離乳期のラットにT_3を投与したところ、Cdx-2mRNA量が低下し、LPH mRNA量も減少した。従って、小腸の発達に伴うLPH遺伝子発現量の減少は、甲状腺ホルモンによる転写調節因子Cdx-2の発現量の低下およびその転写制御エレメントへの結合活性の減少によって起こるものと考えられた。 3.Cdx-2のリン酸化・脱リン酸化調節による転写活性変動機構の検討:大腸菌で発現させたCdx-2をcAMP依存性プロテインキナーゼでリン酸化したところ、LPH遺伝子転写制御領域への結合活性が低下した。Caco-2細胞におけるLPH mRNAの発現量はT_3とアデニル酸シクラーゼの活性化剤forskolinの同時投与により著しく低下した。従って、LPH遺伝子の発現はリン酸化シグナルによるCdx-2のDNA結合活性の変化により制御されていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toshinao Goda: "Regulation of the expression of carbohydrate digestion/absorption-related genes."British Journal of Nutrition. 84. S245-S248 (2000)
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[Publications] 合田敏尚 他: "スクラーゼ・イソマルターゼ遺伝子の転写調節機構:フルクトース摂取による核内因子Cdx-2の脱リン酸化"消化と吸収. 23(in press). (2000)
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[Publications] 合田敏尚 他: "食品機能研究法"光琳. 5 (2000)