2000 Fiscal Year Annual Research Report
交叉耐性適応機構解明のための高温耐性適応ラットの生理的特性研究と関連遺伝子の探索
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12670064
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
古山 富士弥 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (00080101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 仁雄 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60073730)
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Keywords | cross adaptation / thermoregulation / heat resistance / cold resistance / lipids / stress / gene / cell death |
Research Abstract |
1,FOKラットで高体温域で強力に発動されてくる熱放散機構の意義とメカニズムの研究 (1)、中枢の体温調節機構と唾液分泌量の間にnegative feedback調節系があることを発見した。FOKラットは、Ketamine麻酔下で体温39.0℃以上で体温上昇に比例して顎下腺から大量の唾液を分泌した。これによって、無麻酔下ではnegative feedback機構により体温を39.5℃-40.0℃に保持することがわかった。Donryuラットは唾液分泌はわずかで、体温は急速に上昇した。SDラットはかなりの唾液を分泌したが体温上昇に比例していなかった。これは、高温環境で体温を一定に保持しにくいことを示唆している。ACIラットは、体温40.0℃以上で体温に比例して唾液分泌量が増加するが分泌量が少なかった。FOKが他系統より広く体表へ唾液拡散する環境温度域は38.5℃以上であった。(2)、各系統の摘出顎下腺のacetylcholine刺激時の唾液分泌量を比較したところFOKラットで唾液量が多いという系統差はあったが、無麻酔時に比べるとわずかな差であった。これは、温熱性唾液分泌の系統差の原因が主として中枢性調節にあることを示唆している。(3)、FOKラットの顎下腺の形態的特徴、とくにaquaporin5の発現を検討中である。(4)、唾液中のpanncreastatin様物質の系統差を検討したところ、高濃度noradrenaline刺激ではFOKラットで多かった。 2,我々が開発したFOKラットの広汎な諸性質の研究 (1)、寒冷環境ではラットの体温が約1℃上昇した。FOKラットは、ストレス発熱が大きい系統の一つだった。(2)、FOKラットは対照系よりも血中脂質濃度が低くて不飽和脂肪酸が多い傾向にあったが、さらに検討を必要とする。 3,高体温および諸耐性適応に関与する遺伝子の同定 (1)、高温暴露時に視床下部に多く発現してくる遺伝子を同定する準備をしている(3年計画)。(2)、高温耐性関連遺伝子の連鎖解析(Quality Trait Loci法)ための勉強をしている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Ohno: "Fathy acid composition of brown adipose tissue in genetically heat-tolerant Fok rats"Int.J.Biometeorol.. 45. 41-44 (2001)
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[Publications] Fujiya Furuyama: "Dfferent characteristics of the inbred Fok rat in addition to genotypic resistance adaptation to a sever hot environment.(本の名前ICSB2000)"Japan Science and Technology Corporation. 6(263) (2000)