2001 Fiscal Year Annual Research Report
交叉耐性適応機構解明のための高温耐性適応ラットの生理的特性研究と関連遺伝子の探索
Project/Area Number |
12670064
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
古山 富士弥 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (00080101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 仁雄 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60073730)
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Keywords | 交叉適応 / 環境適応 / 体温調節 / 脂質代謝 / ストレス / FOKラット / 環境耐性 / 遺伝 |
Research Abstract |
I, FOKで高体温域で強力に発動されてくる熱放散機構の意義とメカニズムの研究 (a)無麻酔ラットを様々な高温環境に暴露して、体表へ唾液拡散する閾値体温を測定したところ、閾値は系統によって異なっていた。FOKラットは、閾値が38.7。Cにあり、もっとも低い系統の一つであったが、抜きん出ているわけではなかった。(b)温熱性唾液分泌の中枢性調節の実験は今年度は実施しなかった。 II,我々が開発したFOKラットの広汎な諸性質の研究 (a)[脂質プロファイル]FOKラットは対照ラットに比べて血中トリグリセリド濃度が1/3くらいしかなく、このことはFOKラットはコレステロールも含めたVLDL値が低い低脂血を呈していることがわかった。さらに、ベータ・ブロッカーであるプロプラノロール事前投与によりトリグリセリド値が半分回復した。このことは、この低脂血症が一部がベータ受容体を介しておこっており、その他にも未知の経路が関与していることを示唆している。さらに、FOKラットは血中トリグリセリド中の高級不飽和脂肪酸(アラキドン酸とDHAが対照ラットより多く、寒冷暴露による増加も大きかった。FOKラットは血中リン脂質中のDHAが対照ラットより多く、寒冷暴露による増加も大きかった。これらの知見は、FOKラットの血中脂質プロファイルは先天的に寒冷反応型であることを示唆している。 (b)[脱共役タンパク質]各種臓器のUCPをFOKラットと対照ラットで比較している。現在のところ、胸腺UCP2がFOKラットで多い。その免疫学的意義は不明である。
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