2000 Fiscal Year Annual Research Report
筋疲労における筋力変調の作用点:活性化過程分離による解明
Project/Area Number |
12670067
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
馬詰 良樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40056990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 眞紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30271315)
竹森 重 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20179675)
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Keywords | 筋疲労 / 活性化過程 / リン酸アナログ |
Research Abstract |
筋疲労原因物質群による張力変調の作用点を解明するために、リン酸アナログ(フッ化アルミニウム、ヴァナジン酸)を用いて、活性化過程をCa^<2+>によるものと収縮性クロスブリッジによるものとに分離することが本研究の目的である。その基礎となるリン酸アナログの動態について、現在以下の結果が得られている。 1.収縮張力発生能 (1).初期張力応答の低下から85%程度のクロスブリッジにはフッ化アルミニウムが取り込まれている。(2).初期張力応答の回復から、ATPがなくてもCa^<2+>による活性化だけよってその遊離は促進される。(3).収縮性クロスブリッジの形成によってさらに遊離は促進される。(Yamaguchi & Takemori,2001) 2.スチフネス測定 Ca^<2+>による活性化によってスチフネスは上昇し、フッ化アルミニウムの遊離が促進される。(Yamaguchi & Takemori,2001) 3.X線回折 ヴァナジン酸を結合したミオシン頭部は、筋フィラメント格子内でもM-ADP-Piと類似した分子形態にある。 4.^<19>F-NMR 標本の均一性を保つため、微少試料を用いている。ナノプローブを用いることによって、筋線維内に取り込まれたフッ化アルミニウムからのシグナルを測定することができた。まず、微少試料をナノプローブ用試料管内に高密度に充填した状態での解析を行っている。 以上のように、収縮張力発生から、収縮クロスブリッジが持つ活性化作用を分離するという本年の到達目標は、概ね達成できた。
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Research Products
(1 results)