2000 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮容量性Ca^<2+>流入チャネルの分子電気薬理学的解析
Project/Area Number |
12670080
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
飯島 俊彦 秋田大学, 医学部, 教授 (30004724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 栄作 秋田大学, 医学部, 助手 (10282162)
矢沢 和人 秋田大学, 医学部, 講師 (90212274)
尾野 恭一 秋田大学, 医学部, 助教授 (70185635)
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Keywords | 大動脈内皮細胞 / 膜電位固定 / 細胞内Ca^<2+>濃度 / 細胞膜Ca^<2+>ATPase / アンチセンス / 容量性Ca^<2+>流入 / Cl^-チャネル / TRP4 |
Research Abstract |
ヒト大動脈内皮細胞を用いPatch-clamp法により膜電位固定下にて,イオンチャネル電流と顕微蛍光測光による細胞内Ca^<2+>濃度の同時測定・記録を行い,Ca^<2+>排泄における細胞膜Ca^<2+>ATPase(PMCA)の機能的役割を検討した.PCMA1に対しアンチセンスoligo DNAを合成し,96時間アンチセンス処理を行い,無処置群と比較検討した.その結果,細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)調節は主にNa^+/Ca^<2+>交換機構による細胞外への排出によるが,PMCAも[Ca^<2+>]_i調節に関与していることを明らかにした.既に我々は,ヒト大動脈内皮細胞を用い,内皮依存性血管拡張物質が細胞内Ca^<2+>貯蔵部位からの遊離と,細胞外からのCa^<2+>流入(容量性Ca^<2+>流入:CCE)を引き起こし、後者が細胞外のCl^-に依存性であることを明らかにしてきた.またCa^<2+>貯蔵部位を枯渇したり.流れ刺激のような機械刺激によっても,Cl^-依存性のCa^<2+>流入が引き起こされることを明らかにしてきた.そこで現在,1)血管作動物質や機械刺激によって活性化されるCl^-チャネルの活性化機構とキネティクスの解析,2)血管作動物質や機械刺激によってCl^-チャネルが活性化され,膜電位がCl^-の平衡電位に移行し,同時にCCEチャネルが活性化されることによってCCEが引き起こされると考えられるが,Cl^-チャネルとCCEチャネルとの問の機能連関,さらには,3)ヒト大動脈内皮細胞に存在するTRP4をHEK-293細胞に発現させて,そのCCEとしての機能の検討,等について実験研究を続けており,初期的結果の学会発表を行っている.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nakao.M.,Furukawa,K.,Satoh.E.,Ono,K.and Iijima,T.: "Inhibition by antisense oligonucleotides of plasma membrane Ca2+ ATPase in vascular endothelial cells."Eur.J.Pharmacol.. 387. 273-277 (2000)
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[Publications] Iijima,T.,Nakao,M.,Satoh,E.,Yazawa,K.,and Ono,K.: "Possibility for developing new vasodikators to modulate chloride channels in vascular endothelial cells."Jpn.J.Pharmacol.. 82(Supple1). 13 (2000)
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[Publications] Satoh,E.,Yazawa,K.,Ono,K.,Fujisawa,S.and Iijima,T.: "Identification of trp4 gene variants in rat brain."Jpn.J.Pharmacol.. 82(Supple1). 140 (2000)