2001 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸トランスポーターを介する薬物輸送の分子機序の解明
Project/Area Number |
12670095
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
金井 好克 杏林大学, 医学部, 教授 (60204533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 徒慶 杏林大学, 医学部, 助手 (40327474)
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Keywords | トランスポーター / アミノ酸 / 甲状腺ホルモン / トリヨードサイロニン / サイロキシン / メルファラン / 薬物輸送 |
Research Abstract |
本研究は、アミノ酸トランスポーターを介する薬物輸送の分子機序を解明することを目的とするものであり、すでに同定したアミノ酸トランスポーターの代謝臓器、吸収・排泄臓器、血液・組織関門における発現の検討、薬物及び薬物抱合体輸送のスペクトラムと輸送の機序の解析ともに、未同定のアミノ酸トランスポーターの分子的実体を解明することをその内容とする。第二年次にあたる平成13年度は、ヒト膀胱癌由来T24細胞の^<14>C-ロイシン輸送特性の検討、ウェスタンブロット及び定量PCRによる発現の検討を行い、T24細胞の^<14>C-ロイシン輸送はほぼ完全に輸送系LトランスポーターLAT1を介することを明らかにした。このT24細胞を用いて、アミノ酸類似化合物のLAT1に対する抑制効果を検討することにより、LAT1が甲状腺ホルモンであるトリヨードサイロニン及びサイロキシン、抗腫瘍薬メルファラン等のアミノ酸類似化合物を受け入れることを明らかにした。T24細胞の^<14>C-ロイシン輸送に対する抑制を指標に、LAT1の高親和性化合物の探索を行い、KYT0193、KYT0206、KYT0213と名付けた新規高親和性化合物を見い出した。これらは、輸送系L選択的な古典的基質であるBCH(2-aminobicyclo-[2.2.1]-heptane-2-carboxylic acid)の約1000倍、既存の化合物の中で最も高親和性であるトリヨードサイロニンの約10倍親和性が高かった。加えて、本年度は、輸送系Lアミノ酸トランスポーターヒトLAT1、ヒトLAT2をマウス腎尿細管由来S2細胞に導入し、安定発現細胞を樹立した。これらを用い、上記新規化合物のLAT1/LAT2選択性を明らかにした。また、新規アミノ酸トランスポーターとして、ヘテロ二量体型トランスポーターファミリーの新規メンバーAsc-2及びAGT1を同定した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tsuganezawa, H: "A new member of the HCO3-transporter superfamily is an apical anion exchanger of β-Intercalated Cells in the kidney"J.Biol.Chem.. 276. 8180-8189 (2001)
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[Publications] Mizoguchi, K: "Human cystinuria-related transporter : localization and functional characterization"Kidney Int.. 59. 1821-1833 (2001)
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[Publications] Kim, DK: "Expression cloning of a Na^+-independent aromatic amino acid transporter with structural similarity to H^+/monocarboxylate transporters"J.Biol.Chem.. 276. 17221-17228 (2001)
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[Publications] Cha, SH: "Identification and characterization of human organic anion transporter 3 expressing predominantly in the kidney"Mol.Pharmacol. 59. 1277-1286 (2001)
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[Publications] Kim, JY: "Human cystine/glutamate transporter : cDNA cloning and upregulation by oxidative stress in glioma cells"Bilchim.Biophys.Acta. 1512. 335-344 (2001)
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[Publications] Yanagida, O: "Human L-type amino acid transporter 1 (LATl): characterization of function and expression in tumor cell lines"Biochim.Biophys.Acta. 1514. 291-302 (2001)
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[Publications] 金井好克: "アミノ酸トランスポーター、Annual Review 腎臓2001、伊藤克己、浅野泰、遠藤仁、御手洗哲也、東原英二編"中外医学者. 8 (2001)