2000 Fiscal Year Annual Research Report
Rhoシグナル伝達とチロシンキナーゼのクロストーク
Project/Area Number |
12670112
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石崎 敏理 京都大学, 医学研究科, 助手 (70293876)
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Keywords | チロシンリン酸化 / Rho / ROCK / mDia / アクチン細胞骨格 / 微小管 / 細胞運動 / Rac |
Research Abstract |
細胞は進行方向前方で、filopodiaやlamellipodiaを誘導し、そこで新たな接着点が形成される。次いで、そこを支点としてアクチンフィラメントが架橋され、細胞後方部分が前方に牽引される。このような過程をくり返すことで細胞は移動している。filopodia、lamellipodia、アクチンフィラメントはそれぞれCdc42、Rac、Rhoが寄与しており、細胞運動にはこれら蛋白質間のシグナルクロストークが重要と考えられているが、その分子機序は不明であった。血清成分のリゾフォスファチジン酸(LPA)で血清飢餓状態のSwiss3T3細胞を刺激すると、Rho依存的にアクチンストレス線維、細胞接着斑の形成されるが、このときC3酵素で細胞を前処理し、Rhoを不活化しておくと、これら構造は形成されない。この構造の形成にはRho標的蛋白質ROCKおよびmDiaの活性が必要である。そこで、Rho標的蛋白質ROCKの阻害薬Y-27632で細胞を処置すると、同様に、LPAによるアクチンストレス線維・細胞接着斑は形成されないが、C3処理では認められなかった細胞周囲においてRacに依存的なmembrane ruffllingが観察された。このことは、LPA刺激下において、ROCK活性の抑制は、Racの活性化を誘導することを示唆している。 現在、このようなRho-Rac間のシグナルクロストークの分子機序を明らかにすべく、細胞接着斑構成蛋白質の関与について検討している。これまでに、LPA刺激によりrho依存的にチロシンリン酸化されることが報告されているCasが、その欠失変異体を用いた解析により、この情報伝達経路への関与が示唆されている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ishizaki T et al: "Coordination of microtubules and the actin cytoskeleton by the Rho effector mDial."Nature Cell Biology. 3. 8-14 (2001)
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[Publications] Ishizaki T et al.: "Pharmacological properties of Y-27632, a specific inhibitor of rho-associated kinases."Molecular Pharmacology. 57. 976-983 (2000)
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[Publications] Kosako H et al.: "Rho-kinase/ROCK is involved in cytokinesis through the phosphorylation of myosin light chain and not ezrin/radixin/moesin proteins at the cleavage furrow."Oncogene. 19. 6059-6064 (2000)
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[Publications] Bito H et al.: "A critical role for a Rho-associated kinase, p160ROCK, in determining axon outgrowth in mammalian CNS neurons."Neuron. 26. 431-441 (2000)
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[Publications] Ohashi K et al.: "Rho-associated kinase ROCK activates LIM-kinase 1 by phosphorylation at threonine 508 within the activation loop."Journal of Biological Chemistry. 275. 3577-3582 (2000)
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[Publications] Kato T et al.: "Localization of a mammalian homolog of diaphanous, mDial, to the mitotic spindle in HeLa cells."Journal of Cell Science. 114. 775-784 (2001)