2000 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア内における酵素複合体の形成と遺伝性鉄芽球性貧血との関係に関する研究
Project/Area Number |
12670129
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古山 和道 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80280874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張替 秀郎 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50302146)
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Keywords | 5-アミノレブリン酸合成酵素 / スクシニルCoAシンターゼ / split hybrid system / 遺伝性鉄芽球性貧血 |
Research Abstract |
1.赤血球型5-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS-E)とATP特異的スクシニルCoAシンターゼ(A-SCS)が機能的な酵素複合体を形成しうるかどうかをin vitroで検討するために、ALAS-EとSCSの各コンポーネント(SCS-α,SCS-βA,SCS-βG)をGST融合蛋白質として大腸菌に発現させた後、精製してそれぞれの酵素活性を測定した。その結果ALAS-Eに関しては十分な活性を有する蛋白質が得られたが、SCSについてはSCS-αとSCS-βA(=A-SCS),SCS-αとSCS-βG(=G-SCS)いずれの組み合わせにおいても、十分な酵素活性を得ることは出来なかった。そこでウズラの繊維芽細胞由来の培養細胞にヒトSCS-βA cDNAを導入して発現させて解析したところ、その分子量はアミノ酸配列から予想されるものより大きい事が判明した。このことから少なくともSCS-βAでは何らかの翻訳後修飾がなされていることが推察されるが、この翻訳後修飾が酵素活性に大きな影響を与えている可能性が強いと考えられる。現在はバキュロウィルスを用いた昆虫細胞での発現系を用いて上記の各コンポーネントを発現・精製すべく実験を継続している。 2.ALAS-EとSCS-βAとの結合に必須の部分を同定するためにsplit hybrid systemを用いてyeast内での結合の解析した。このsplit hybrid systemではyeast内で発現する融合蛋白質としてLexAとVP16を用いているが、ALAS-EとSCS-βAをそれぞれLexAとVP16と融合させて発現させたところ、この場合にはyeast内での結合が検出できないことが明らかとなった。このため、それぞれの蛋白質の一部を欠失させた変異体を作成し、その変位蛋白質がALAS-EとSCS-βAの結合にどのような影響を与えるかを現在は検討中である。 3.ヒトSCS-βAをコードするgenome DNAの単離に成功し、現在その構造を解析中である。
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Research Products
(1 results)