2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670142
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮本 洋一 昭和大学, 歯学部, 講師 (20295132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
片桐 岳信 昭和大学, 歯学部, 助教授 (80245802)
伊藤 雅波 昭和大学, 歯学部, 助手 (10349045)
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
赤池 孝章 熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
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Keywords | ニトロソチオール / 一酸化窒素 / グルタチオン / パーオキシナイトライト / マトリクスメタロプロテアーゼ / S-ニトロソスルフォキシド / α1プロテアーゼインヒビター / SH基修飾 |
Research Abstract |
我々は、生体内のニトロソチオール生成メカニズムを解析し、血中のタンパク質であるセルロプラスミンが、一酸化窒素(NO)の一電子酸化反応を触媒し、SH化合物のS-ニトロソ化反応を起すことを明らかにしている。また、パーオキシナイトライトとSH化合物との反応により、硫黄原子に酸素原子が付加したS-ニトロソスルフォキシドが形成されることを見出している。さらに、マトリクスメタロプロテアーゼがグルタチオンS-ニトロソスルフォキシドとの反応でグルタチオン付加、活性化されるという新しい活性制御機構の存在を見出したことから、種々の病態発現においてニトロ化ストレスの本体のひとつであるパーオキシナイトライトが、生体分子のニトロ化のみならず、S-ニトロソスルフォキシ形成を介して、組織破壊をもたらす可能性が示唆される。これらの研究に加え、本年度から、新たに関節リウマチなど炎症性の軟骨疾患における生体分子のニトロソ化、ニトロ化の生物学的意義について検討を始めた。我々は、関節リウマチなど炎症性疾患等において産生の亢進が知られているα1プロテアーゼインヒビター(α1-PI)のSH基が一般のタンパク性SH基と比較し、高効率でS-ニトロソ化されることを見出している。α1-PIの活性中心のメチオニンは、炎症など酸化的環境下で酸化され、スルフォキシド化することから、メチオニン酸化α1-PIのS-ニトロソ化反応および形成されたニトロソチオールの生物活性を検討した。酸化型は非酸化型のおよそ80%の効率でニトロソチオールが形成された。抗菌活性を指標に生物活性を評価したところ、興味深いことに、メチオニン酸化α1-PIニトロソチオールは非酸化型のそれの100倍の高活性を示した。すでに、軟骨細胞でのセルロプラスミンの発現も確認しており、今後、ニトロ化およびニトロソ化反応の関節疾患の病態発現における役割を解析する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Okamoto, T., et al.: "Activation of matrix metalloproteinases by peroxynitrite-induced protein S-glutathiolation via disulfide S-oxide formation"J.Biol.Chem.. 31. 29596-29602 (2001)
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[Publications] Wu, J., et al.: "Identification of bradykinin receptors in clinical cancer specimens and murine tumor tissues"Intl.J.Cancer. 98. 29-35 (2002)
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[Publications] Alam, M.S., et al.: "Host defense role of nitric oxide in murine salmonellosis as a function of its potent antibacterial and antiapoptotic activities"Infect.Immun.. 70. 3130-3142 (2002)
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[Publications] Sahoo, S.K., et al.: "Pegylated zinc protoporphyrin : a water-soluble heme oxygenase inhibitor with tumor-targeting capacity"Bioconjugate Chemistry. 13. 1031-1038 (2002)
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[Publications] Akaike, T., et al.: "8-Nitroguanosine formation in viral pneumonia and its implication for pathogenesis"Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.. 100. 685-690 (2003)
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[Publications] Miyamoto, Y., et al.: "Degradation of Bradykinin by a Metallo-endopeptidase from Streptococcus pyogenes"Infect.Immun.. (in press). (2003)