2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトBリンパ腫のspontaneous apoptosisの分子機序の解明
Project/Area Number |
12670168
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
阿部 正文 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00045783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田崎 和洋 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70244382)
小野 伸高 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80233584)
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Keywords | apoptosis / caspase / Bcl-2 family / TRAF / NF-kB / B-cell lymphoma |
Research Abstract |
HBL-9細胞のspontaneous apoptosisはcaspase活性測定、Western blot法およびNorthern blot (ribonuclease protection assay)法等の検討結果からcaspase 2、3、7、8の複数のcaspaseが関与してることが明らかにされた。このspontaneous apoptosisはcaspase 2、3、7、8に特異的な阻害剤で抑制されなかったが、Z-Asp-CH2-DCBやZ-VAD-FMKのcaspase阻害剤で抑制された。このことはこれらcaspaseの上流に位置するcaspaseの存在が示唆された。HBL-9細胞では、Western blot法でBax、Bad、Bidの蛋白発現はみられたが、Bcl-2、Bcl-XLの蛋白発現はみられなかった。Northern blot法ではbcl-XL、bid、bad、baxのmRNAの発現がみられた。Bax、Badの発現はみられたが、caspase 9の発現がないことから、ミトコンンドリアを介したBcl-2ファミリー分子・caspase 9によるapoptosis発現機構はないと考えられた。HBL-9細胞におけるNF-kBの活性をelectrophoretic mobility assay (EMSA)で検討したが、NF-kBの活性はみられなかった。このことはHodgkin病のReed-Sternberg (RS)細胞と異なって、NF-kB活性に基づくapoptosis抑制機構はないと考えられた。NF-kBの不活性にTRAF分子が関与しているかどうかを、Western blot法およびNorthern blot法で検討した。TRAF 1、TRAF 2、TRAF 3、TRAF 4のmRNAの発現はみられたが、蛋白の発現はTRAF 2とTRAF 3のみにみられた。現在のところHBL-9細胞におけるNF-kB不活性化とTRAF分子の関連は不明である。 本研究からの(1)HBL-9細胞のspontaneous apoptosisにはcaspase2、3、7、8等の複数のcaspaseが関与し、さらにそれら上流に位置するcaspaseの存在が示唆された。(2)Bcl-2、Bcl-XL蛋白の欠如、NF-kBの不活性等apoptosis抑制機構の障害がみられた。(3)caspase 9の発現がみれれないことから、ミトコンドリアを介したcaspase 9活性化によるapoptosisはないと考えられた。
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