2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前立腺癌のDifferential display法による解析と抗体の作製
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12670171
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
小西 登 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20145832)
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Keywords | 前立腺癌 / 遺伝子 / Differential display / 抗体 |
Research Abstract |
本研究においては、Fluorcsccence differential display法を用いて特異的発現パターンを示す遺伝子検索を行ない、検出した変異遺伝子群はホモロジー検索後有用と示唆されるものについてはその特異的モノクローナル抗体を作製することである。 現在まで収集した症例の中で、腫瘍組織と非腫瘍組織が明確に分別できる3症例を選択した上でdifferential displayに供した。各組織からAGPC法によりtotal RNAを抽出し、一本鎖cDNAを合成した後、FDD kit Rhodamine versionを用いて検索を行い、電気泳動後フルォロィメージャーTanaka)を用いて正常部位と癌部位で明らかに発現増幅が異なる遺伝子のバンドを検出した。 現在まで、FDD解析により発現変化が認められたバンドから回収した遺伝子断片67種の塩基配列決定が終了した。31種が既知遺伝子と塩基配列が一致し、これらの遺伝子には、癌原遺伝子、転写因子、イオンチャンネル、サイトカイン、Gタンパク構成サブユニット、シグナル伝達分子等の癌との関連性が推測、あるいは報告されているものが認められた。また機能不明遺伝子として最初に8-204Cに関してその全長のクローニングを進めた。Prostate cancer antigen-1と命名したこの遺伝子は、染色体11p12に位置し、少なくとも10個のexonで構成されていることがわかった。さらに推測されるアミノ酸配列から、この遺伝子がコードする蛋白質は推定43kDaの核蛋白質であり、遺伝子の転写に関与する可能性が推測された。合成ペプチドを抗原として作製したポリクロナール抗体を作製することで,前立腺癌組織における発現を今後検討する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Konishi, N., Nakamura, M., et al.: "Specific genetic alterations in rat renal cell carcinomas induced by N-ethyl-N-hydroxyethylnitrosamine"Toxicol. Pathol. 29. 232-236 (2001)
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[Publications] Nakamura, M., Konishi, N., et al.: "Frequent alterations of the p14^<ARF> and p16^<INK4a> genes in primary central nervous system lymphomas"Cancer Res.. 61. 6335-6339 (2001)
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[Publications] Cho, M., Konishi, N., et al.: "Hypomethylation of the MN/CA9 promoter and upregulated MN/CA9 expression in human renal cell carcinoma"Br. J. Cancer. 85. 563-567 (2001)
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[Publications] Kawada, Y., Konishi, N., et al.: "Aberrations of p14^<ARF> and p16<INK4a> genes in renal cell carcinomas"Jpn. J. Cancer Res.. 92. 1293-1299 (2001)
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[Publications] Konishi, N., Nakamura, M., et al.: "Heterogeneous methylation and deletion patterns of the INK4a/ARF locus within prostate carcinomas"Am. J. Pathol. (In press). (2002)