2001 Fiscal Year Annual Research Report
癌組織における転写因子NF-Yの発現と腫瘍増殖との関連
Project/Area Number |
12670185
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
谷本 昭英 産業医科大学, 医学部, 助教授 (10217151)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 靖之 産業医科大学, 医学部, 教授 (60140646)
|
Keywords | 癌 / NF-Y / 増殖マーカー |
Research Abstract |
前年度には通常の免疫組織化学(マイクロウエーブ処理、カゼイン処理、LSAB法)により前立腺癌と食道癌こおいてNF-Yaの陽性染色像が観察された。しかしながら染色はやや共染の傾向があり、また胃癌組織においては良好な染色が得られなかったため、今年度は新たに従来法より検出感度の高いCatalyzed signal amplification system (DAKO)を用いて胃癌で組織でのNF-Yaの検出を試みた 結果は、正常の胃粘膜上皮の増殖帯の細胞とともに、胃癌組織を構成する癌細胞の大部分(80から90%)の核がNF-Ya陽性であった。粘膜内癌と粘膜下層に浸潤する癌との間、あるいは浸潤部分と非浸潤部分の間に、陽性率の差はなかった。背景組織に共染は少なく、LSAB法よりも感度が高く、非特異的染色も低い可能性が考えられた。 胃癌は未だ本邦で頻度の高い悪性腫瘍のひとつであり、胃癌とNF-Yaとの関連をさらに検索するために、当初の予定に従って細胞生物学的アプローチも開始した。まず、ヒト由来の胃癌細胞株であるMKN7(高分化型)、MKN28(中分化型)、NUGC4(低分化型)を収集し、通常培養状態での増殖曲線を作成し、増殖状態を把握し、これらの細胞からゲルシフトアッセイに必要な核抽出物が得られること、またNF-Yaのcdc2遺伝子に対する転写活性を検討するための遺伝子導入が可能であることを確認した。
|