2001 Fiscal Year Annual Research Report
移植肝における急性拒絶反応の発症機序に関する分子病理学的研究
Project/Area Number |
12670197
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中山 淳 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10221459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 誠治 信州大学, 医学部, 教授 (80177667)
勝山 努 信州大学, 医学部, 教授 (90020809)
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Keywords | 肝移植 / 急性拒絶反応 / L-セレクチン / リンパ球ホーミング / ο-グリカン / 糖転移酵素 |
Research Abstract |
平成12年度の研究成果により,急性拒絶反応時にMECA-79抗体で検出されるperipheral node addressin(PNAd)が門脈域の血管内皮に出現することを見出し,急性拒絶反応にL-セレクチンを介したリンパ球のホーミングが関与する可能性が示唆された.平成13年度はL-セレクチンのリガンドである6-sulfo sialyl Lewis Xがコア2ο-グリカンの非還元末端に存在することから,コア2ο-グリカンの合成を触媒する糖転移酵素,core2β6GlcNAcT-I (C2GnT-I)に対する抗ペプチド抗体を作製し,免疫組織化学的に解析した.その結果,PNAd陽性の血管内皮にC2GnT-lは発現しておらず,また6-sulfo sialyl Lewis Xを含むLewis X関連糖鎖を認識する単クローン抗体,HECA-452とも反応しなかった.一方,Burnham Institute,福田穰教授との共同研究で伸長型コア1ο-グリカンの合成に重要な糖転移酵素,core1 extensionβ3GlcNAcTのcDNAを単離し,PNAdがGalβ1→4(sulfo→6)GlcNAcβ1→3Galβ1→3GalNAcであることを証明した.また,コア2ο-グリカンのみならず,この伸長型コア1ο-グリカンの非還元末端側にも6-sulfo sialyl Lewis Xが生成され,L-セレクチンのリガンドとなり得ることを示した.以上の結果より,急性拒絶反応では門脈域の血管内皮にPNAdは発現し得るが,その非還元末端に6-sulfo sialyl Lewis Xは合成されず,急性拒絶反応の病態形成にL-セレクチンを介したリンパ球のホーミングが積極的に関与している確証は得られなかった.
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Research Products
(1 results)