2000 Fiscal Year Annual Research Report
イソチオシアネート系物質の発がん修飾作用の機序解明と毒性消去法の確立に関する研究
Project/Area Number |
12670198
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉江 茂幸 岐阜大学, 医学部, 助教授 (60187648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泰広 岐阜大学, 医学部, 助手 (70313872)
森 秀樹 岐阜大学, 医学部, 教授 (70021433)
吉見 直己 岐阜大学, 医学部, 助教授 (30166996)
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Keywords | イソチオシアネート系物質 / Diethylnitrosamine(DEN) / 1,4-phenylene diisothiocyanate(DITC) / phenobarbital(PB) / 肝発癌 / ラット / glutathione S-transferase placental form(GST-P) |
Research Abstract |
イソチオシアネート系物質のうち、過去にbenzylisothiocyanate(BITC)の肝発癌、大腸発癌での抑制効果を報告したが、今回、BITC類縁物質、1,4-phenylene diisothiocyanate(DITC)の修飾効果をDiethylnitrosamine(DEN)-phenobarbital(PB)誘発ラット肝発癌モデルにおいて検討した。 【方法】152匹雄F344ラットを9群に分け、第1〜5群各24匹、第6〜9群各8匹とし、5週齢より第2、6、7群に400ppmDITC含有食を、他の群には基礎食(CE-2)を与え、6週齢より第1〜5群に100mg/kg体重のDENを、第6〜第9群には生食水を週1回計3回、腹腔内投与した。DEN最終投与1週間後、第2群は基礎食に、第3、5群は基礎食から実験食にし、第1〜3、7、8群には飲料水を500ppmPB含有飲料水に交換、実験終了迄投与した。他の群は実験食、基礎食、飲料水をそのまま投与を続けた。実験開始24週後全匹屠殺、剖検し、病理組織学的診断を行った。さらに、glutathione S-transferase placental form(GST-P)を免疫染色し、前癌病変であるGST-P陽性巣を計測した。 【結果】体重は、発癌剤を投与した群間では、プロモーション期にDITCを投与した群のみに体重抑制傾向を認めた。しかし、第6、8群間では、有意差は認めなかった。肝腫瘍発生率では、第1群に比し、担腫瘍動物数は第2群で、平均発生腫瘍数は第2、3群で肝腺腫、肝癌、全肝腫瘍数に有意の減少が認められた。第4、5群間では、DITC投与によって、担腫瘍動物数は肝癌で、平均発生腫瘍数は肝癌、全肝腫瘍数に有意の減少が認められた。GST-P陽性巣でも、同様にDITCによる抑制効果を認めた。
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