2000 Fiscal Year Annual Research Report
門脈内骨髄移植による自己免疫疾患の治療 -ストローマ細胞と樹状細胞の動態の解析-
Project/Area Number |
12670219
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70115947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比舎 弘子 関西医科大学, 医学部, 講師 (90151422)
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Keywords | 骨髄移植 / 門脈 / ドナー細胞 / 造血前駆細胞 / ストローマ細胞 |
Research Abstract |
疾患モデルマウス(MRL/lprマウス)に5.5Gyx2回放射線分割照射後、門脈内に正常異系骨髄細胞を移植した群はほぼ全例が長期(処置後6ヶ月以上)生存するが、静脈内移植群は、処置後6ヶ月で全例が死亡した。従って、骨髄細胞の門脈内投与はドナー細胞の生着を促進するものと考えられる。この機序を解明するため、門脈内投与におけるドナー細胞の早期動態(3〜14日後)について解析を行った。その結果1)門脈内に骨髄細胞を投与した群においては、脾臓、骨髄、肝臓内のリンパ・骨髄球系細胞は急速にドナー由来細胞に置換され、移植後14日の時点ではほぼ100%がドナー由来細胞となる。これに対し、静脈内に骨髄細胞を投与した群では7日後に一過性のドナー由来細胞の増殖がみられるものの、移植後14日ではドナー由来細胞がほとんど消失した。2)さらにこれらの細胞中のドナー由来造血前駆細胞(成熟分化マーカー陰性・c-kit陽性細胞)の頻度は門脈内投与群において有意に高値を示した。3)実際に共焦点レーザー顕微鏡を用いた観察から、門脈内投与後、肝臓内もしくは脾臓内においてドナー由来細胞の造血巣が認められ、造血巣と同部位あるいはこれに隣接してストローマ細胞の存在も確認された。門脈内投与群においては、ドナー由来ストローマ細胞が宿主骨細片の培養により検出されることも明らかになっており、これらの知見を総合すると骨髄細胞を門脈内に投与することにより造血幹細胞がストローマ細胞と相互作用し、肝臓もしくは脾臓で初期造血巣を形成し、ドナー由来リンパ・骨髄球系細胞の増殖・分化およびその生着を促進することが想定された。一方、静脈内投与群においてはドナー由来細胞の初期増殖に問題があることが伺われ、このため最終的にドナー細胞の生着不全を来すことが考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Feng,B.: "Development of mouse dendritic cells from lineage-negative c-kit<low pluripotent hemopoietic stem cells in vitro."Stem cells. 18・1. 53-60 (2000)
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[Publications] Kushida,T.: "Treatment of intractable autoimmune diseases in MRL/lpr mice using a new strategy for allogeneic bone marrow transplantation."Blood. 95・5. 1862-1868 (2000)
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[Publications] Kushida,T.: "A new method for bone marrow cell harvesting."Stem cells. 18・6. 453-456 (2000)
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[Publications] Lee,S.: "Prevention of autoimmune hearing loss in MRL/lpr mice by bone marrow transplantation."Bone Marrow transplantation. 26・6. 887-892 (2000)
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[Publications] Li,Y.: "Evidence for migration of donor bone marrow stromal cells into recipient thymus after bone marrow transplantation plus bone grafts : A role of stromal cells in positive selection."Exp.Hematol.. 28・6. 950-960 (2000)
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[Publications] Hashomoto,A.: "Essential role of phospholipase C-γ2 in B cell development and function."J.Immunol.. 165・4. 1738-1742 (2000)