2000 Fiscal Year Annual Research Report
ネズミ糞線虫のラット体内移行を決定する化学物質と虫体アンフイッドの役割
Project/Area Number |
12670233
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 正崇 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80136449)
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Keywords | Strongyloides ratti / Chemotaxis / mammal's sera / albumine / peptides / ナトリウムイオン / レクチン / オートラヂオグラフイ |
Research Abstract |
ネズミ糞線虫第3期幼虫はラットに経皮感染し、頭蓋内に侵入する。しかし本幼虫がどのようにして宿主を見出し、いかにして頭部を見出するのか全く分からない。幼虫頭部にはアンフイッド(感覚器)が一対存在する。幼虫はIn vitroでNaイオンに誘因される。さらにIn vitroで各種哺乳動物の血清に対してもchemotaxisを示す。血清の中のどの物質が幼虫を誘引するかを検索した。透析膜を用いて血清を分離した結果幼虫は蛋白質に誘引された。そこで透析血清をCentrico〓10Kdaで分離した結果幼虫はretentateには強く誘引され、filtrateにはほとんど引かれなかった。血清成分の中で大きな蛋白成分はアルブミン、グロブリンである。市販のラット血清アルブミン、牛血清アルブミン、卵白アルブミン、乳アルブミンを用い、幼虫のアッセイを行った。その結果ラットアルブミン、牛アルブミン、卵アルブミンに幼虫は誘引された。乳アルブミン、各種グロブリンは水に不溶のためアッセイ出来なかった。Peptidesについては透析後のpeptone,triptone,tryptoseに幼虫は誘引された。しかしglutathionには全く引かれなかった。 さらに幼虫を各種酵素、レクチンで処理し、一時的にアンフイッドの機能を停止した幼虫をNaCl勾配のあるアガロース平板上に置き、Naイオンに対する化学走性阻止効果を見た。その結果,Hyaluronidase,Tripsin,Protease,Con∧等に行動阻止現象が見られた。よってIn vivoの試験として35S-methioneでラベルした幼虫を前記のHyaluronidase,Tripsin、Con∧で処理を行って、ラットに投与した。感染15,20,25時間後に全身オートラヂオグラフィ法を用いてラット体内の幼虫移行動向を見た。その結果Hyaluronidase処理群はcontrol群に比べて、体内移行速度が早く感じられた。Con∧処理群(1.0mg/ml)は顕微鏡下ではかなりのダメージを認めたが、実際ラットに投与して見ると、その移動速度は早く、無処置群との間に差異を認めなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koga M.and Tada I.: "Strongyloides ratti : Chemotactic responses of third-stage larvae to selected serum protein and albumins."Journal of Helminthology. 74(3). 247-252 (2000)
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[Publications] Kudo H.T.Higo H.Koga M.and Tada I.: "Chemokinetic behavior of the infective third stage larvae of Strongyloides ratti On a sodium chloride gradient."Parasitology International. 49(3). 183-188 (2000)
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[Publications] Kudo H.T.Higo H.,Koga M. and.,Tada I.: "Effects of various treatments on the chemokinetic behavior of third-stage larvae of Strongyloides ratti on a sodium chloride gradient"Parasitology Reseach. 86(6). 865-869 (2000)
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[Publications] Kudo H.T.,Shimada M.,Koga M.and Tada I.: "Strongyloides ratti : Thermokinetic behabior of third-stage larvae on a Temperature gradient."Experimental Parasitology. 95(3). 196-201 (2000)