2000 Fiscal Year Annual Research Report
PS-PCRによるリーシュマニア原虫の種同定法の確立と応用
Project/Area Number |
12670235
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三森 龍之 熊本大学, 医学部, 助教授 (00117384)
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Keywords | リーシュマニア原虫 / 種同定 / PS-PCR / 診断法 / 皮膚型リーシュマニア症 |
Research Abstract |
リーシュマニア症は、国際保健機構(WHO)が指定する重要感染症のひとつであり、その病害の様々で重症例も多くみられ世界的にも流行の拡大が懸念されている。我が国においても、本症の輸入症例が、しばしば、報告されるようになった。今回の、科学研究費「PS-PCRによるリーシュマニア原虫の種同定法の確立と応用」で行った研究では、第一に、南米エクアドル国で、現在驚異的な蔓延を引き起こしている皮膚型、粘膜型及び汎発性リシュマニア症の患者の潰瘍病変部から、綿棒による浸出液をサンプリングし、それをもとに、PS-PCR法により、リーシュマニア原虫の種同定を試みた。メスの刃を用いて、潰瘍の表層の痂皮を取り除き、出てきた滲出液を綿棒に染み込ませた。この綿棒を、1.5mlの遠心チューブに入れた10%ホルマリン/PBSと70%エタノール/PBSに浸しサンプルを洗い出した。この材料からインスタジーンマトリックスを用いてDNAを抽出しPCRを行った。その結果、顕微鏡の染色塗抹標本及び原虫の培養結果と非常に相関した結果が得られた。綿棒による採取法は、有用と判断された。この方法は、簡単で、患者への痛みも少なく、フィールドの材料採取に適していると考えられた。さらに、日本国内で本症ではないかと疑われた患者2名についても、同PCR法でリーシュマニア症の診断が確定した。このように、我々が開発した、PCR法は、様々なタイプのリーシュマニア症に対処でき、正確な原虫種の同定が可能であることが今回の研究でわかった。
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Research Products
(1 results)