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2001 Fiscal Year Annual Research Report

ヒトジラミ殺虫剤抵抗性分子診断法を確立するための基礎研究

Research Project

Project/Area Number 12670245
Research InstitutionNational Institute of Infections Diseases

Principal Investigator

高橋 正和  国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 主任研究官 (00109969)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 冨田 隆史  国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (20180169)
Keywordsアタマジラミ / 殺虫剤抵抗性 / フェノトリン / ナトリウムイオンチャンネル / ピレスロイド / チトクロム酸化酵素 / 点突然変異
Research Abstract

首都圏の保健所,病院等から罹患者より直接採取したアタマジラミ生虫の提供を受け,9コロニーのフェノトリン感受性を調べた。その結果,3コロニーが抵抗性であり,国内では初めての本種ピレスロイド剤抵抗性コロニーの確認となった。このうち,コロモジラミ感受性系統と比較して抵抗性比が最も高く推定されたコロニーでは,少なくとも160倍の抵抗性を示し,フェノトリン製剤による駆除が困難になっていると予想される。
フェノトリン抵抗性と感受性のそれぞれ2つのアタマジラミコロニーを用い,ピレスロイド系殺虫剤の作用点であるpara-orthologous Na^+チャンネル遺伝子のcDNA配列を比較した。完全長コード配列を比較した抵抗性と感受性の2つのコロニーの間にはD11E, M850I, T952I,およびL955Pの4つのアミノ酸置換があり,これらの置換の中にピレスロイド低感受性に寄与する点突然変異が含まれていると考えられる。この感受性アタマジラミのタンパク質配列はコロモジラミの殺虫剤感受性NIID系統のものと完全に一致し,両シラミの間には約6kbのcDNA配列中に1塩基の置換しかなかった。抵抗性アタマジラミのアミノ酸置換のうち,ドメインIIに含まれる2つの置換T952IとL955Pは,2000年に公表された米国・英国産のピレスロイド系殺虫剤抵抗性コロニーに見出された抵抗性特異的アミノ酸置換に一致した。ドメインIIのみを解析した残りのアタマジラミ感受性と抵抗性コロニーのcDNA配列は,それぞれ,完全長コード配列を解析し終えた感受性と抵抗性コロニーのものと一致した。
アタマジラミとコロモジラミの海外からの移入,国内における移動・分散,および両同胞種間で交雑の可能性を研究する目的で,403アミノ酸残基をコードするミトコンドリアのチトクロム酸化酵素サブユニットI遺伝子の部分的塩基配列を新たに決定した。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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