2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670254
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
余 明順 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70093482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 哲也 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (90221746)
本田 武司 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (60029808)
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Keywords | 腸管出血性大腸菌 / 感染実験動物モデル / O157 / 定着 |
Research Abstract |
腸管出血性大腸菌感染症研究のための動物モデルとして利用できる感受性の高い小動物がいないため、本感染症の発症機構の解明や、治療法、予防法の開発のために、無菌動物や薬剤あるいは栄養調整により感受性を高めた動物を用いているのが現状である。このような特殊な状態のモデルではなく、なるべく自然に近い状態の小動物を用いたモデルを開発することを目的として本研究を開始した。マウスのnormal gutが産生する揮発性脂肪酸による外来細菌の定着阻害を減弱させるために、揮発性脂肪酸産生の場と考えられる盲腸の外科的切除法の確立を試みた。10週齢の雌ddyマウスを用いて、盲腸除去手術を施し、術中や術後の手術による死亡あるいは手術による感染が原因で起こる死亡例数が減少するまで、手技の修練を行った。 腸内細菌叢の中で、揮発性脂肪酸を産生する嫌気性細菌が減少したことを知る簡易な手段として、coliform bacteriaのCFUの推移(嫌気性細菌数の減少の結果、coliform bacteriaが増える)を測定した。術前術後のマウス糞便を採取し、糞便重量測定後、1ml PBSに懸濁し、希釈してマッコンキー寒天あるいはDHL寒天上でCFUを測定した。対照マウス群やシャムマウス群ではcoliform bacteriaのCFUに変化は見られなかったが、盲腸除去マウス群では、術後1週間でcoliform bacteriaのCFUが増加し始め、術後2週間でプラトーに達し、術前、糞便1g当り10^5個であったのに比して、およそ10^7個になり、腸管出血性大腸感染実験の準備が整った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Vlademir V.Cantarelli: "Interaction of enteropathogenic or enterohemorrhagic Escherichia coli with HeLa a cells results in translocation of cortactin to the bacterial adherence site"Infection and Immunity. 68. 382-386 (2000)
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[Publications] Katsushi Yokoyama: "Complete nucleotide sequence of the prophage VT1-Sakai carrying the Shiga toxin 1 genes of the enterohemorrhagic Escherichia coli O157 ; H7 strain derived from the Sakai outbreak."Gene. 258. 127-139 (2000)