2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670255
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小熊 恵二 岡山大学, 医学部, 教授 (00002262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤永 由佳子 岡山大学, 医学部, 助手 (60252954)
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Keywords | ボツリヌス菌 / ボツリヌス毒素 / 赤血球凝集素 / レセプター / シアル酸 / モノクローナル抗体 / ムチン蛋白質 |
Research Abstract |
ポツリヌス神経毒素に結合している無毒成分の1つである赤血球凝集素(HA)はHA1、HA2、HA3a、HA3bのサブコンポーネントより成る。A型菌より7S(神経毒素)、12S、16Sと19S毒素(両者を併せてHA^+-毒素と命名)を精製した。またHA1〜HA3bの各サブコンポーネントをGST融合蛋白として作製した。HA^+-毒素は赤血球膜に存在するglycophrinがもつN-結合型糖鎖のGalβ1-4 GlcNAcに主に結合した。モルモットの小腸切片に対する結合性では、HAサブコンポーネント中、HA1とHA3bのみが結合活性を示したが、HA3bはシアル酸に、HA1はHA^+-毒素と同様にガラクトースを認識していた。以上のことより、A型HA^+-毒素は、HA1を介し、糖蛋白質のガラクトース分子に主に結合すると結論した。 同様のことをC型菌より得た、7S、12S、16S毒素、および各HAサブコンポーネントで行ったところ、16S毒素はシアル酸に結合した。赤血球をシアリダーゼで処理すると、16S毒素およびHA3bの結合は激減したが、HA1の結合は低下しなかった。しかし、腸切片においては、シアリダーゼ処理すると、16S毒素、HA3bのみならずHA1の結合性も低下した。各HAサブコンポーネントに対する、数種類のモノクローナル抗体による結合阻害実験では、HA1に反応する抗体は、16S毒素の結合性も阻害した。従ってC型16S毒素の小腸上皮への結合性はHA3bのみならず、HA1も関与していること、C型HA1の認識する糖鎖はA型HA1とは多少異なることが示唆された。また、C型16S毒素はモルモットの腸粘膜ムチン由来分子量約700kDaのムチン(糖蛋白質)に、また、T84細胞に非常に高い親和性で結合することも判明した。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Fujinaga,Y., et al: "Identification and characterization of functional subunits of Clostridium botulinum type A progenitor toxin involved in binding to intestinal microvilli and erythrocytes."FEBS Lett.. 467. 179-183 (2000)
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[Publications] Sagane,Y., et al: "Characterization of nicking of the nontoxic-nonhemagglutinin components of Clostridium butulinum types C and D progenitor toxin."J.Protein Chem.. 19. 573-579 (2000)
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[Publications] Wang,X., et al: "Genetic analysis of type E botulinum toxin-producing Clostridium butyricum strains."Appl.Environ.Microbiol.. 66. 4992-4997 (2000)
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[Publications] Murphy,T., et al: "Algal toxins-Initiators of avian botulism?"Environ.Toxicol.. 15. 558-567 (2000)
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[Publications] Watarai,S., et al: "Inhibitory sffect of intestinal anti-globotriaosylceramide IgA antibody on verotosin-induced cytotoxicity."Lett.Appl.Microbiol.. 31. 449-453 (2000)
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[Publications] 小熊恵二 他: "神経情報を傷害する破傷風毒素とボツリヌス毒素"蛋白質 核酸 酵素. 46・4. 484-490 (2001)
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[Publications] 小熊恵二: "乳児ボツリヌス症"小児科. 41・6. 963-971 (2000)
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[Publications] 小熊恵二: "乳児ボツリヌス症"治療. 82. 772-776 (2000)
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[Publications] 小熊恵二: "ボツリヌス菌"medicina. 37・10. 1712-1715 (2000)
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[Publications] 小熊恵二: "ボツリヌス"小児感染免疫. 12・4. 427-430 (2000)