2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670255
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小熊 惠二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00002262)
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Keywords | ボツリヌス菌 / ボツリヌス毒素 / 赤血球凝集素 / レセプター / シアル酸 / シアリルラクトース / Galβ1-4GlcNAc / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
ボツリヌスC型菌は分子量約15万の神経毒素に分子量約14万の無毒成分(non-Toxnon HAと命名)を結合してM毒素を、さらにこれに赤血球凝集素(HA)を結合してL毒素を形成する。A型菌の場合はM、L毒素の他、L毒素が2分子結合したLL毒素も産生する。我々はHAはHA1(〜33kDa)、HA2(〜17kDa)、HA3a(〜22kDa)、HA3b(〜53kDa)よりなること、L(およびLL)毒素はM毒素よりも効率よく腸管から吸収されることを報告してきた。精製A型LおよびLL毒素、大腸菌で人工合成した各HAサブコンポーネントのモルモットの小腸上皮細胞への結合性を調べ、A型毒素は主にHA1を介して結合することを認めた。さらにこれら毒素の赤血球への結合を詳細に解析し、そのレセプターはGa1β1-4GlcNAcであることを示した。C型のL毒素および各サブコンポーネントを用いて同様の実験を試みたところ、毒素の腸上皮細胞および赤血球の結合には、当初シアル酸に結合するHA3bのみが関与すると思われたが、HA3b、HA1の両方が関与しており、HA1のレセプターはシアリルラクトースであることが推察された。なお、HA1の重要性は、HA活性の低いC型L毒素では、HA1のC端が欠失していたこと、HA1に対するモノクローナル抗体がL毒素の経口毒性を減少〜中和したことからも示唆された。さらに、C、D型の無毒成分はほとんど同一のアミノ酸配列を示すことから、この無毒成分を用いて腸管免疫を高めると、C、D型両毒素の吸収を阻害することも認めた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Inoue K, Fujinaga Y, Oguma K, et al.: "Clostridium botulinum type A HA positive progenitor toxin (HA^+-PTX) binds to ollgosaccharides containing Galβ1-4GlcNAc through one subcomponent of HA (HA1)"Microbiol.. 147. 811-819 (2001)
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[Publications] Sagane Y, Kouguchi H, Oguma K, et al.: "Role of C-terminal region of HA-33 components of botulinum progenitor toxins In hemagglutination"Biophys.Res.Commun.. 288. 650-657 (2001)
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[Publications] Nazira M, Inoue K Oguma K, et al.: "Characterisation of monoclonal antibodyies against haemagglutinin associated with Clostridium botulinum type C neurotoxln"J.Med.Microbiol.. 54(in press). (2002)
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[Publications] 小熊惠二: "ボツリヌス症/人獣共通感染症2"木村哲, 喜田宏(印刷中). (2002)
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[Publications] 小熊惠二: "ボツリヌス菌/病原菌の今日的意味"松本慶蔵(印刷中). (2002)
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[Publications] 小熊惠二: "細菌毒素の応用/細菌毒素ハンドブック"櫻井純, 本田武司, 小熊惠二. 17-22 (2002)
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[Publications] 小熊惠二: "ボツリヌス毒素/細菌毒素ハンドブック"櫻井純, 本田武司, 小熊惠二. 86-94 (2002)
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[Publications] 小熊惠二: "ボツリヌスC3酵素/細菌毒素ハンドブツク"櫻井純, 本田武司, 小熊惠二. 105-112 (2002)
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[Publications] 小熊惠二, 杉本央: "神経情報伝達を障害する破傷風毒素とボツリヌス毒素/蛋白質 核酸 酵素(3月増刊)"内山竹彦, 中嶋暉躬, 名取俊二, 正木春彦. 484-490 (2001)